Young woman with flasks making notes in laboratory
(写真=Thinkstock/Getty Images)

世界で最も革新的な企業・機関を選出する「Top 100 グローバル・イノベーター2015」が発表され、日本からはトヨタ自動車 <7203> や東芝 <6502> 、キヤノン <7751> など40社が選出された。これはアメリカの35社を抜き世界で最も多くの企業が選出されたことになる。

このレポートは世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイターが、企業の保有する特許データを基に「特許数」、「成功率」、「グローバル性」、「引用における特許の影響力」という観点から調査したものだ。

日本企業は世界的なプレゼンスの低下や、新しい事に挑戦しにくいなどと批判をされることがしばしばあるが、この「グローバル・イノベーター」としての日本の躍進は目覚ましく、日本企業は「グローバル・イノベーター」に40社が選出され、これまでトップだったアメリカを抜いて日本が世界最多となった。

また、12社が初選出となるなど、日本企業が近年イノベーターとしてのプレゼンスを高めつつあることが明らかになった。では、その初選出となった企業はどのような企業なのだろうか。初選出企業のうち東レ <3402> と科学技術振興機構の2社を紹介しよう。


東レ 炭素繊維で世界をリード ユニクロのヒートテックの繊維も開発

東レは2015年3月期で、総売上高2兆円、主力の繊維事業では8500億円の売上を誇る日本最大の総合繊維メーカーだ。東レはB2B企業であるため一般消費者には馴染みの薄い企業かもしれないが、ファーストリテイリング <9983> (ユニクロ)の「ヒートテック」や、「ウルトラライトダウン」に使われている繊維は東レが開発した繊維だといえば、ぐっと身近に感じられるだろう。

国内の競合企業に対して東レは非常に高い競争力を持っている。東レの特許数をみると繊維関連の特許は10222件となっている。日本の繊維業界2位の帝人<3401>では繊維関連の特許が4942件であり、三菱レイヨン <3404> の特許数が2673件であることを考えると、その東レの特許数の多さは際立っている。

他にも、東レが保有している特許によって他社の特許申請が拒絶された回数は2000回以上であるのに対して、帝人や三菱レイヨン600~700回ほどとなっており、東レの特許は他社に対して強い影響力を持っていることが分かる。

また、東レは国内だけで強いというわけではない。東レは世界的にも強力なプレイヤーとして名をはせている。東レが繊維の中でも特に強い分野が炭素繊維である。この炭素繊維は、その文字通り炭素からなる繊維で軽くて強いことに特徴がある。この炭素繊維は引張強度を比重で割った比強度が鉄の約10倍となっている。

つまり、炭素繊維では鉄と同じ強度を得るのに重さが鉄の1/10程度で足りてしまうのだ。こうした軽くて強い特性や鉄よりも高いデザインの許容度から近年ではジェット旅客機にも炭素繊維が用いられるようになっている。

東レはこの炭素繊維の分野で世界シェア30%をもち、世界トップの座に君臨している。また、2014年には航空機メーカー大手のボーイング社から炭素繊維複合材を1兆円分の受注を獲得していることから、今後もますます繊維事業での東レの世界的なプレゼンスは高まり続けそうだ。


科学技術振興機構 日本のイノベーションを支える黒子役

科学技術振興機構は、科学技術イノベーションの創出に貢献することを目的として設立された文部科学省所管の国立研究法人である。この科学技術振興機構はより効果的に研究が進むよう戦略の検討や、社会が抱える課題の解決につながる科学技術を生み出すための研究への資金援助、将来の科学技術を担う人材の育成などを行っている機関である。

例えば、2015年11月に2期連続で世界第1位を獲得したスーパーコンピューター「京」は、理化学研究所や東京工業大学、富士通 <6702> などが共同で研究を行った研究成果であるが、その資金を援助しているのがこの科学技術振興機構なのである。

他にも、アフリカ熱帯雨林のゴリラのふんから新種のビフィズス菌を発見した研究にも支援を行っているなど、多種多様な研究への支援を行っている。

また、研究への資金的な援助だけでなく、国内で生み出された知的財産が「グローバル性」を獲得できるよう海外での特許申請支援も行っている。科学技術振興機構は日本の大学等で生み出された知的財産のうち国策上重要なものについては海外で特許出願や権利化するまでに必要な費用を支援している。

こうした支援によって、日本の技術がグローバルの場でも競争力を維持することができるように支援を行っている。こうした科学技術振興機構の取り組みが、日本のグローバル・イノベーターとしての躍進を支えている。(ZUU online 編集部)

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