宇宙ビジネス関連銘柄

(写真=Thinkstock/Getty Images)

日本の宇宙ビジネスが本格化する方向だ。政府は8日に宇宙基本計画の工程表を改定し、国内の宇宙関連産業の強化に取り組む姿勢を一段と強めた。来年の通常国会では、宇宙ビジネスを円滑化する新たな法案も提出されるもよう。今後進められる先端衛星システムの整備は、自動運転などの注目分野とも関係してくるだけに、関連銘柄への関心は高まる。

安倍晋三首相はこのほど掲げたGDP(国内総生産)600兆円の目標へ向け、宇宙関連産業を成長戦略の中核の一つにとらえている。改定した工程表には民間支援の具体策のほか、安全保障面での利用を拡大する方針が盛り込まれた。2025年度までに、市場規模を5兆円(13年は3000億円)まで急拡大させたい考えだ。

通常国会では、商業ロケット打ち上げの損害賠償制度を定める宇宙活動法案と、衛星の画像解析能力の規制緩和に関する法案が出される見通し。民間企業の参入を促す体制を国が早期に整える。

商業ロケットでは、三菱重工業 <7011> のH2Aロケットが高い打ち上げ成功率を誇る。ロケットの推進薬である過塩素酸アンモニウムを国内で唯一手掛けるカーリットホールディングス <4275> の出口和男社長は、海外と比べて高い打ち上げコストの軽減へ向け「原料からの改良を進めていく」と話す。カーリットHは宇宙空間で消費される液体燃料についても、原料供給への参入を視野に入れる。

「準天頂衛星」民間利用広がる

一方、サービス面では「準天頂衛星システム」と呼ばれる人工衛星を使った測位システムが注目される。衛星を日本の天頂付近に常に1機が位置するように配備し、全国で山やビルなどの障害物があっても高精度の衛星測位情報を受信できるようにする国家プロジェクトだ。

準天頂衛星は三菱電機 <6503> が製造し、初号機「みちびき」が既に打ち上げられている。政府は17年度までに4機体制として、24時間途切れなく準天頂衛星が発信する電波を受け取るサービスを確立する。同サービスを活用したビジネス分野は、社会インフラから防災、農業、自動車の自動運転と幅広く、宇宙産業で各社がビジネスを拡大させるための入口となることは間違いない。

アイサンテク、コアに注目

有力な関連銘柄の一つが測量ソフト開発を主力とするアイサンテクノロジー <4667> だ。同社はみちびきからの試験データを活用するソフトを手掛け、自動運転分野でも注目される。株価は10月以降大幅に上昇し、やや過熱感があるものの、宇宙産業の拡大期待も追い風に一段と人気化する展開も想定される。

アイサンテクに準天頂衛星対応受信機を供給するコア <2359> も、宇宙ビジネスでの躍進が期待される。コアは同受信機を搭載したトラクターを自動で走行させるIT農機の実証実験にも参画。「これを皮切りに事業を本格化させたい」(コアの広報部)としている。

このほか、通信機器で東京計器 <7721> や日本無線 <6751> 、古野電気 <6814> 、ソフト開発でアイネット <9600> 、日本プロセス <9651> 、IoT(モノのインターネット)技術で宇宙分野にアプローチするジグソー <3914> などをマークしたい。(12月10日株式新聞掲載記事)

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