(写真=Thinkstock/Getty Images)
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内閣府の調査で新築マイホームをほしいという人の数が減っているとの調査結果がでた。社会保障費の増加や雇用に対する不安からコスト面で中古住宅へ熱い視線が集まっているようだ。中古住宅を購入する、ローンを組む際の注意点について述べる。

中古住宅購入のメリット

最初はメリットから。中古住宅の大きなメリットといえば価格。一般には新築と比べて「2~3割安い」「1000万円程度安くなる」と言われているが、実際のところ値段はどのくらい違うのか? 国土交通省の平成26年度住宅市場動向調査報告書によると、新築住宅・中古住宅の購入平均額は以下の通り。

【新築住宅の購入平均額】
注文住宅で4227万円 分譲マンションで3636万円

【中古の購入平均額】
一戸建て住宅で2358万円 マンションで2141万円

この数値から見ると新築よりかなり低価格で購入できることになる。ただし、新築住宅のデータはあくまで土地から購入した注文住宅の場合である。土地を譲り受けるあてがある人や分譲住宅購入の際は3000万円台が主流となる。新築物件にも価格の差があることを理解した上で「新築より2~3割安い」とざっくり考えて欲しい。

また、価格以外にも中古住宅の強みとしてコミュニティー形成済みの住宅を購入できるということも挙げられる。新築住宅、とくに分譲住宅の場合、隣にどんな家族が住むのか未知数だ。しかし中古住宅なら事前に近隣住人の様子を知ることが可能となる。

次に、多くの人が中古住宅に対してもつ不安に触れたい。

不安1:購入時のトラブル

一般的に中古物件は、持ち主(おおむね住人)がから購入することになる。値段交渉や引き渡し時期などトラブルが多いのではないかと考える人は多い。実際にトラブルは皆無ではい。

ここでは中古物件に慣れた不動産会社を選ぶことが大事になる。売主との契約(価格・引き渡し・瑕疵発覚時の対応など)をどうするのか、しっかり補佐してくれる不動産会社を選ぼう。なお、もし会社選びに困った時は不動産コンサルタントと言われる中立の第三者に会社選びや交渉をお願いするのもひとつの手段だ。

不安2:性能は大丈夫か

これもよく聞く不安だ。性能に関しては物件による違いが大きいため個々で判断する必要がある。みなさんは『物件診断(ホー・ムインスペクション)』という言葉をご存じだろうか。これは専門家が住宅の状態を診断してくれるシステムた。また診断だけでなく、審査の結果基準を満たせば中古住宅に何かあった際に保険金が受け取れる『住宅瑕疵担保責任保険』に加入できるというメリットもある。加入方法は物件の売買形態によって異なるので、これぞ!という物件を見つけた時は事前に確認しておこう。

不安3:リフォーム費用が高い?

リフォーム費用は望めば望むだけ高くなるので注意が必要だ。費用を抑えるコツとして、段階的にリフォームするという方法がある。中古住宅の場合は、住んでみると意外に傷んでいなかったということもままある。逆に、大丈夫だと思っていたところが実は傷んでいたり、不便であったということもある。一度住んでみて、不満を感じる箇所のみリフォームすれば効率がいい。

住宅購入費用とリフォーム費用を一括して借り入れできるローンの場合「せっかく低金利で借りられるんだから一気に気リフォームしてしまおう」と考えがちだが、リフォーム費用を最小限にとどめるためにも段階を踏んでみてはどうだろうか。

最後に注意点だ。住宅ローンに関する注意点がいつくかあるため、順に見てみよう。

注意点1:ローン年数が短くなる可能性

これは住宅の耐久年数によって起こり得ることである。住宅ローンを借り入れの際には住宅の担保価値が考慮される。もし返済が滞った場合には住宅をもって返済に充てるという性質から仕方のないことだ。極端な例で言うと、住宅の寿命が20年だったとしたらローンも20年で組まなければならない、ということである。そのため、中古住宅を購入する場合は新築住宅に比べ借入期間や借入額に制限があるかもしないと覚悟しておくといいだろう。

フラット35を利用する場合にも注意点がある。フラット35を利用する際には住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していなければならない。これを俗に適合証明書の取得という。前述の住宅診断と同じように住宅の性能をチェックする審査だが目的は保険の加入ではなく、あくまで住宅金融支援機構から融資を受けるために行う。万が一この証明が受けられないと、フラット35の利用はできなくなる。

注意点2:住宅ローン控除が使えない可能性

住宅ローン控除は中古住宅の取得でも対象だが、一定の条件がある。建築年数が20年以内(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)でなければならないのだ。もしそれ以前に建てられた建物の場合は、別途地震に対する備えがあるという証明書(耐震基準適合証明書)が必要となる。基準を満たさなくても住宅ローン控除適用外となるだけだが、ご自身のためにも耐震補強・強化の工事をすることをお勧めする。

煩わしさを楽しむ余裕を

中古住宅のメリットと注意点について解説した。「中古住宅は注意点が多くて面倒だ」と感じたかもしれない。たしかに新築と比較すると考えるべき点や注意すべき点が多い。しかし、価格が安い分面倒が多いと考えてはいかがだろうか?一生に何度もない買い物だ。リフォームに頭を悩ませたり、物件審査を手配したりする煩わしさを楽しむくらいの余裕をもって中古物件と接して欲しい。

横山 晴美(よこやま はるみ)ライフプラン応援事務所代表
2011年にFP資格取得。2013年 ライフプラン応援事務所 を立ち上げ独立FPとして活動。住宅・子育て・老後などの「お金の問題」解決を目指し、相談業務・マネーセミナー等を行っている。

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