昨年はオンライン経済用語辞典「インベストペディア(Investopedia)」にも新用語として仲間入りを果たした「FinTech(フィンテック)」だが、その歴史はさかのぼること30年と意外に長いようだ。

シティグループのプロジェクトが「FinTech」の由来

FinTechとは「ファイナンス×テクノロジー」を掛け合わせた用語で、インベストペディアなどは「モバイル決済、P2Pレンディング、ロボット・アドバイザー、仮想通貨などを含む、金融界におけるテクノロジー革命」と定義つけている。

しかし米金融ニュースメディア、アメリカン・バンカーのチーフエディター、マーク・ホッホスタイン氏によると、FinTechという言葉は1990年代初期にシティコープ(現在のシティグループ)が着手した「ファイナンシャル・サービス・テクノロジー・コンソーシアム(Financial Services Technology Consortium)」というプロジェクト名から生まれたという。

テクノロジーにウトイことで定評のあった金融業界のジレンマを打ち破るために、「ファイナンシャル・サービス・テクノロジー・コンソーシアム」を設立したシティは、「時代は変わった。これからは企業が協力しあう時代になる」と、他業界との提携を迎え入れるコメントを1993年に発表した。

1980年代から企業名として登録されていた

FinTechという言葉自体は、1980年代から既に複数の企業名として登録されていたという情報もあるが、いずれにせよ現代のように「シリコンバレー」「スタートアップ」「イノベーション」などの代用的存在として受け止められるようになったのは、これらの関連用語が生まれた以降であることは確かだ。

ホッホスタイン氏が昨年9月にTwitter上で「FinTechとは?」という疑問を投げかけたところ、「既存の金融機関が脅威ではなくチャンスとして受け止めるべきもの」「eコマース同様、数年後には誰も驚かないレベルにまで成長しているファイナンシャル・システム」といった納得モノのコメントから、「アメリカン・バンクが大手銀行に売りつけようと仕掛けた賢いビジネス」という皮肉なコメントまで、多数の回答が寄せれた。(ZUU online 編集部)