多くの人が抱えている「なかなかお金が貯まらない」という悩み。「大きな出費はしていないのに」「割と収入は多いのに」「無駄使いはしていないはずなのに」と、原因は分からないが、給料日前になると貯金どころか生活費さえギリギリになってしまう……という人も多い。それは一体なぜなのだろうか。
実はお金が貯まらない人には共通する行動パターンや考え方が存在している。お金を貯められるかどうかは、収入の額よりお金の使い方のクセが大きく影響している。自分にお金が貯められない行動パターンとして当てはまる点がないかチェックし、「貯まる体質」に変身してみよう。
コンビニに毎日通っている
まず「いつの間にかお金が減っている」という人に最も多くみられる特徴としては、「毎日コンビニに通っている」という点だ。一度に使う額としては小さいとしても、問題なのは、「毎日コンビニで何かを買う」という習慣ができてしまっていること。もともと欲しくはなかったのに、つい新商品のお菓子やスイーツを見つけると、ついでに買ってしまうといった心当たりはないだろうか。
また何となくコーヒーやお茶などの飲料を習慣的に購入している人も要注意。たとえ一回の買い物が1000円程度だとしても、毎日繰り返せば1か月では約3万円にもなる。本人としては大きなお金を使っている意識がないのに、なぜかお金が減っているという点が怖いのだ。
そして購入しているものが食品であることから、「必要である」と思ってしまいがちなのも注意したいポイント。ついコンビニに立ち寄りたくなったら、その前に、本当に必要なものを買いに行くのかどうか自問してみよう。また、「ついで買い」にいくらかけているのか、1か月のレシートを貯めて確認するのも良い。
お金を使わないと「もったいない」という心理
次に、「せっかく○○に来たんだからお金を使わないともったいない」と思ってしまう人も、お金が貯まらない体質の人と言える。たとえば家の近所にはない「成城石井」を見つけると、使うかどうかも分からない調味料を購入してしまう。
また「せっかく遠出して『コストコ』に来たんだから、あれもこれも買っておこう…こんなに安いんだし」と、「せっかくの機会」や「せっかくの遠出」なのにお金を使わないのはもったいないという思考パターンの人は、いつの間にかお金を消費してしまうことが多い。この「せっかく買い」もなかなか厄介だ。
流行している低価格帯の雑貨屋やファストファッションなども同様だ。「せっかくはやっているお店に来たのだから何か買わないと」という心理が働きやすい、貯まらない体質の人にとっては要注意なスポットである。加えて、商品の価格帯が低いと財布のヒモがゆるみやすくもなりがちだ。その積み重ねの結果、気が付くといつも貯金ができないという事態を招いてしまう。
このパターンの人は、「お金を使わなくても有意義な時間を過ごすことができた」と思うように心がけることで、後で後悔するようなお金の使い方を減らしていくことができる。無理に何か買わなくても、ウィンドーショッピングだけで充分楽しめるものだ。
「無料」「期間限定」などの言葉に弱い
なかなかお金が貯まらないという人に共通する行動パターンや考え方は、他にもある。たとえば、「無料」「期間限定」という言葉に弱いということ。ネット通販で買い物をする際、「あと○○円で送料無料」などと表示されていると、送料がかからないように追加の買い物をしてしまったりしないだろうか(「送料無料にするためにはこの商品の購入がおすすめ」と、不足分とほぼ同額の商品を紹介してくれるサイトもある)。
また「期間限定」で販売されているものは価値があると思ってしまったり、セール中には何かを購入しないと損するのではないかと考えたりしてしまったりする人も多い。「自分には何が必要か」「自分は何が欲しいのか」ではなく、買うこと自体が目的となってしまっているのだ。後から冷静になって考えると、いらない買い物だったと後悔することもあるはず。
「無料」「期間限定」という言葉につられず、本当に必要なものや欲しい物を購入するように心がけていれば、その時は損をしたような気になっても、トータル的にはかなり賢く有意義なお金の使い方ができているものだ。
「先取り貯蓄」でストレスなく貯金を
以上、お金が貯められない人に共通する行動パターンや考え方を紹介した。しかし、お金を使うこと自体が悪いのでは決してない。問題なのは、貯めるべきお金を残さず、いつの間にか使ってしまうことである。そうならないためにも、自分のお金の使い方のクセを見直し意識すれば、充分「貯まる体質」になることができる。
貯められない人におススメなのが、「先取り貯蓄」だ。毎月の給料が振り込まれたら、貯めるべきお金を先に天引きして別の口座に移してしまう。これなら、自動的にお金を貯めることができるので「今月も貯金ができなかった」という事態にはならない。貯めるべき分を貯めたら、あとは好きなことにお金を使っていいのだから、ストレスもかからないはず。
お金を貯められないという人であっても、お金を使うこと自体に罪悪感を抱く必要はない。大事なのは、「後から考えたら必要なかった」という買い物を減らしていくクセをつけること。そうすれば、たとえ収入の額は変わらなくても、お金が手元に残るようになっていくだろう。
武藤 貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーや執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。
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