明日11日は成人の日。荒れる成人式の様子がニュースで毎回報じられ、いわば風物詩のようになっていることは残念だが、今夏の参院院から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられる。成人人口が減り続ける中、若者一人ひとりの役割は大きくなるはずだ。
今年の成人数や過去との比較、近隣国である中国・韓国の成人を取り巻く状況を見ていこう。
今年の新成人はピーク時の半分以下
新成人人口の統計は1968年から始まっており、今年の新成人は121万人だ。内訳は男性62万人、女性59万人となっている。日本の総人口に占める割合は0.95%となっており、1%にも満たない。
そして21年ぶりにプラスとなった前年と比べると5万人の減少となり、これは過去最小人口を記録した2014年と同じ人口となっている。つまり過去最小人口タイ記録となる。新成人の人口のピークは1970年の246万人となっており、総人口に占める割合は2.4%を占めていた。今年の新成人は残念ながらこの年の半数にも満たない人口となってしまった。
ここ最近耳にすることが増えた「2025年問題」、これは団塊の世代が75歳以上に達する年で介護・医療費等社会保障費の急増が懸念される問題のこと。国立社会保障・人口問題研究所の推計では今後も新成人人口は減少し続け、110万人を下回ると予想されている。一方、高齢者人口は約3500万人に達するとされている。これは総人口の約30%。2020年の東京五輪が終わるとすぐに2025年だからそう遠くない。
中国の成人は18歳 人口は一人っ子政策の影響が
日本の少子高齢化は急激に進んでいるが、これは日本だけの問題でなくなっている。総務省が発表した世界の統計2015で2010年の中国の人口ピラピッドの割合を見ると20歳以下の人口が急速に減少している。これは成人人口の減少を現している。
また2000年の中国の年齢構成は、15歳未満が25.6%、65歳以上が6.9%。2020年の予想では15歳未満は18.2%と減少、65歳以上は11.7%と増加している。一人っ子政策の影響も顕著に現れ出している。
中国では18歳で「成人式」を迎える。日本のような国で定めた「成人の日」というのはない。多くの18歳が高校在学中のため、それぞれの高校がそれぞれの成人式を行っているようだ。婚姻適齢は男性22歳以上、女性20歳以上、選挙権は満18歳以上と決められている。
韓国でも少子高齢化 成人式は5月の第3月曜日
韓国も日本と同じく少子高齢化が進んでいる。WHO(世界保健機関)が公開した合計特殊出生率は韓国が日本を抑え1.3人とワースト1位となっている。また2000年の韓国の年齢構成は、15歳未満が21.0%、65歳以上が7.3%。2020年の予想では15歳未満は13.8%と減少、65歳以上は15.5%と増加している。確実に成人の人口も減り続けている。
韓国の成人式は5月の第3月曜日とされている。満20歳以上が成人とされ成人としての自負心と責任を与える日とされている。日本のように祝日とはならず、親友・恋人・家族とお祝いする。恋人と過ごす男性は女性に3種の神器(20本のバラの花・香水・ファースキス)をプレゼントするということもあるようだ。満19歳以上には飲酒、喫煙、兵役法、満20歳以上には選挙権、婚姻適齢、運転免許取得などの権利・義務が与えられる。
ちなみにアメリカの成人はほぼ18歳だが、ネブラスカ州では19歳、コロラド州では21歳というように州によって異なっている。そのためなのか成人式は特に行われていない。
ケニアのマサイ族の成人式はまさに命がけ。ライオンと戦って勝つことができなければ成人とは認められない。「百獣の王」であるライオンに勝つことで真の強さを証明するこことなる。(ZUU online 編集部)