近年、各国中央銀行の総裁がややもすれば、政治よりも注目を集めていますね。 さて、今回は、その中央銀行の総裁たちを紹介していきましょう。
初の女性議長
米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名されたジャネット・イエレン氏です。 初の女性議長ということで大きく注目を集めていますが、注目を集めるのはもちろん、それだけではありません。
今、アメリカで行われている未曽有の金融緩和政策。QE3と呼ばれる、この金融政策の縮小時期を巡って市場は神経質になっており、その金融政策の舵取りを行うのが、FRB総裁となるジャネット・イエレン氏であるからです。 イエレン氏はハト派と目されており、金融緩和縮小には、慎重姿勢を見せている模様です。 実際、イエレン氏が金融緩和に積極的な発言を行うたびに市場は大きく動いています。 緩和縮小のタイミングやペースについては、内部でも意見が割れており、イエレン氏の指導力が問われることになりそうです。何にしろ、今後イエレン氏の発言の重みは増すと考えられます。米国金融緩和の出口をどうもっていくのか、日本も多くを学ぶ必要があるところでありますが、イエレン氏の手腕に注目ですね。
経済危機の預言者
2013年9月に50歳という若さでインド中銀総裁に就任したラグラム・ラジャン氏。ラジャン氏は、米国発の経済危機を2005年時点で「予言」したことで、その名を知られることとなりました。 現在のインドは、ルピー安を通じて、物価がじりじりと上昇しており、舵取りが極めて難しい局面にあります。インド準備銀行は利上げを繰り返すことによって、貯蓄率向上を目論み、通貨安定を図っています。 米国の金融緩和縮小がルピー安要因になる中、ラジャン氏の手腕が問われそうです。
欧州の魔術師
「ドラギ・マジック」、「スーパーマリオ」。様々な呼称をいただくマリオ・ドラギ氏。 ユーロ危機という大変難しい局面の最中にECB総裁に就任したドラギ氏は、無制限国債購入を宣言し、南欧諸国の破綻を回避しました。ユーロ圏を守るために「必要なことは何でもやる」との発言をしたことがまだ記憶に新しいですね。この発言が市場に安心感を与えることとなりました。 現在ユーロ圏では、日本病(デフレ)の流行が危惧されていますが、引き続きドラギ氏の手腕が問われることとなりそうです。