(写真=Thinkstock/Getty Images)
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専用のメガネなどを使って人間の視覚に文字や画像といった情報を融合するAR(Augmented Reality=拡張現実)と呼ばれる技術が本格的な普及期を迎える。今後市場の急成長が見込まれ、投資テーマとしても有力だ。関連銘柄のサイバネットシステム <4312> 、サン電子 <6736> などをマークしたい。

カメラで認識した画像を分析し、それに応じた情報をリアルタイムで視覚上に表示するAR。スマートフォンの普及に加え、メガネ型などの身に着ける端末「ウェアラブルデバイス」の登場を契機に、広告やホビーから観光、建設、製造業の現場に至るまで応用分野が広がっている。

例えば、配管工事の現場では、装着したメガネ型端末のレンズを通して作業手順が示される。物体を認識することで、文字による説明だけではなく、実際の修理個所に印を付けて分かりやすく指示したりもできる。離れた場所にいる熟練技術者と画像を共有しながら会話をするような機能もあり、ミスの削減や効率化が期待される。

ほかにも旅行者がスマホのカメラで映した光景に観光情報を表示したり、また、AR技術を駆使した新感覚のゲームなど、用途は複雑なものから単純なものまでさまざまだ。英投資銀行のデジ・キャピタルの予測では、VR(仮想現実)とARを合わせた市場規模が2020年までに1500億ドル(約17兆6000億円)に達するという。

米ラスベガスで6〜9日に開催された世界最大の家電見本市「CES」では、インテルなどが新製品を披露。日本でもNTTデータ <9613> がメガネ型端末による遠隔作業支援システムのサービスを3月から開始する。

サイバネットなど注目

中小型株にも有力企業が見当たる。設計用ソフトを主力とするサイバネットでは、営業ツールの用途などでARの構築支援サービスが好調に推移。同社によれば、住宅や不動産向けに、ARで建設予定の建物の姿を疑似体験できるタイプの引き合いが多いほか、情報受発信機能としての観光アプリも急速に伸びている。

サイバネットの前15年12月期第3四半期累計(昨年1〜9月)の連結営業利益が6億円(前年同期比22.9%増)。AR関連に加え、主力の設計用ソフトも新規ライセンス販売が伸び好業績を達成した。年初からの相場波乱で株価は押し目を形成したが、戻りのピッチは案外速そうだ。

サン電子、来下期実証実験へ

サン電子は昨年、AR分野で高い技術を持つイスラエルのインフィニティAR社に資本参加。さらに、メガネ型端末用のディスプレーユニットを手掛ける同国のルモス社とも提携し、ARシステム「エースリアル」を開発。2カ所のカメラからの空間情報と、慣性センサーからの情報を統合し、視界に3D映像を融合させる。

同製品は直近東京で開催された国際見本市でも展示され好評を博したという。製造業から医療、アミューズメントまで幅広い用途での展開を想定。サン電子のIR担当者は「来3月期下期に実証実験を開始し、応用事例を増やして再来期の業績貢献につなげたい」と話している。

このほか、ジグソー <3914> はARの自動認識技術に強い英クダン社と共同研究を始めた。電通国際情報サービス <4812> も、子会社がAR技術を活用したサービスを手掛けている。(1月29日株式新聞掲載記事)

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