日銀は、1月29日に開いた金融政策決定会合でマイナス金利政策の導入を決定した。2月16日からの実施となる。民間銀行が日銀に預けている一部の預金に0.1%の手数料を課することで、量的緩和で市場に供給した資金が金融機関に滞留することを抑制し、お金が貸し出しに回るよう促すのが目的。政策委員9人(総裁、副総裁2人、審議委員6人)のうち、賛成5人、反対4人で決定された。
銀行株下落、不動産株上昇
14時11分時点での日経平均株価は前日比308.46円高の17349.91円で推移。この時点までの高値は12時46分の1万7638円93銭、安値は13時20分の1万6767円09銭。先物主導で荒い値動きとなっている。
この決定を受け、銀行株は金利低下による貸出業務の利ザヤが縮小し、業績を下押しするとの見方が広がっている。東証33業種の値下がり率上位は銀行となっている。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> 、ゆうちょ銀行 <7182> など軒並み売られている。
一方、0.1%のマイナス金利が適用されることで、金融機関は貸し出し姿勢を強めることが予想される。その貸し出し対象となりやすいのが不動産業界だ。
不動産業界にとっては資金調達コストが大幅に低下することから追い風となるだろう。不動産では、平和不動産 <8803> 、三菱地所 <8802> 、住友不動産 <8830> 、東急不動産ホールディングス <3289> 、三井不動産 <8801> などが軒並み買われ、業種別上昇率上位は不動産となっている。東証REIT指数も14時14分時点で1772.54となっており4.94%の上昇、一時年初来高値を更新した。不動産市場は、もう一段の加熱を見せることが予想される。(ZUU online 編集部)