長期投資
(画像=PIXTA)

「長期投資」と「短期売買」、どちらが良い悪いということはないが、それぞれにメリットとデメリットがあるため、特徴を知ることが大切だ。

大まかに言えば、じっくり資産を増やしていきたい人は長期投資、短期的な利益を追求したい人は短期売買ということにはなるが、自分の投資方針やリスク許容度などを鑑み、目的に合った方法を選ぶことが必要となろう。

長期投資のメリットとデメリット

長期投資と短期売買にはどのような違いがあるのだろうか。長期と短期には明確な期間の定義があるわけではないが、一般的には1年以上にわたり期限を設けずに取引を行うことを長期投資と呼ぶ。

長期投資のメリットとしてまず考えられるのが、時間がなくてもできるということだ。長期投資は将来の値上りなどを目的とするため、日中の相場状況を監視し続けなければならないということはなく、短期的な相場の変動に敏感になる必要性が低い。昼間は仕事などで忙しく、売買ができないという人にとっては効果的な投資手法だと考えられる。

また、短期売買に比べてコストを抑えることができるという点もメリットとなろう。短期売買においては、短期間で売買を繰り返すため、その都度売買手数料がかかることになるが、長期投資ではコストが頻繁に発生するといったことがない。コストを抑えることができれば、その分だけ投資パフォーマンスが向上することになる。

さらに、複利効果が期待できるということもメリットだ。株式の配当や投資信託の分配金を再投資していけば、利益が利益を生む複利効果を期待することができる。

一方で、デメリットとなるのが短期的に利益を得ることができないということだ。人は利益がでるとすぐに売却してしまいたいと考えるのが普通だ。もちろん、目標とする利益を達成することができれば、期間にこだわらず利益を確定することも大切ではあるが、長期的な視点で取引を行う以上、目の前の利益に一喜一憂することなく辛抱することも大事だ。

短期売買のメリットとデメリット

では、短期売買にはどのようなメリットとデメリットがあるのだろうか。短期売買とは、1日から長くても1、2か月で取引を繰り返す取引のことをいう。短期売買で代表的なものが、1日の中で売買を完結させ翌日以降に資産を持ち越さないデイトレードや、数日の間で利益を狙うスイングトレードと呼ばれるものだ。

短期売買のメリットとなるのが、短期間で利益を生み出すことができるという点だ。短ければ数分で利益を確定することになるため、利益が出れば儲かったということを実感しやすい。

また、短期売買はテクニカル分析などのタイミングによる取引が主体となるため、企業業績や景況感といった経済的な見通しを必要以上に分析することもない。自分なりに株価の流れを捉えることができれば、短期間で利益を出すことができる。

将来の不確実性に対処できるということもメリットであろう。株価が翌日に上がるか下がるかということは誰にも分らないことだ。様々な点でグローバル化された現在では、日本株であっても海外の要因などで翌日に大きく下落するといったことも珍しくはない。1日で取引を終えるデイトレードであれば、取引時間外の材料による株価の乱高下に対処することができる。

一方で、短期的に利益を出せるということは、短期的に損失を重ねやすいということでもある。相場の変動に敏感に反応することになるため、神経を使う投資手法とも言える。

また、長期投資とは反対にコストが大きくなることもデメリットだ。前述したように取引を繰り返すことは売買手数料が膨らむことになるため、順調に利益を出すことができなければコストが負担となることが考えられる。

取引所の取引時間中に時間を要することもデメリットとなろう。専業投資家であれば別だが、昼間に仕事をする人にとって短期売買は難しい。

長期投資と短期売買のどちらを選ぶべきか

長期投資か短期売買かということは、投資の目的や投資に費やすことができる時間などによって異なるだろう。

ここまで説明したように、短期売買は日々の変動の中で短期的な利益を追求する取引手法であるため、機械的に取引することが苦にならない人や、ある程度取引時間を確保できる人には適していると思われる。

しかし、短期売買で個人投資家が勝ち続けるということは簡単なことではない。短期売買はタイミングを見極めるといったことのほかに、取引スピードや情報収集力といったことも必要になるが、圧倒的な資金力を誇り、取引スピードや情報収集力に長けた機関投資家には劣ってしまう。

また、テクニカル分析を的確に行うことができたとしても、テクニカルは絶対ではない。投資家がとる行動として、株価が値上がりするとすぐに売却してしまうが、値下がりをするとなかなか損切りをすることができないというのはよく言われることだ。

投資の目的をはっきりさせて、自分が予期しない値動きの時は損切りするなどの行動がとれないと短期間に損失を膨らませてしまう結果にもなる。

一方で、十分な取引時間を確保できない人や短期的な値動きに一喜一憂したくない人には長期投資が適していると考えられる。

例えば、株価は様々な要因で変動するものではあるものの、基本的に株価が評価される前提となるものは企業業績だ。自分が知っている企業で安定的な業績成長を続け、株価が右肩上がりの株や業績は良いが株価があまり動いていないといった株は、期間を設けずに長期的な視点で投資をしてみても良いのではないだろうか。

上場企業のホームページには投資家向けの決算資料を公開しているので、個別株に投資する際には面倒だと思わずに確認することをおすすめする。

個別株を選ぶことができないという人は、日経平均株価などの指数に連動するインデックス運用の商品への投資を考えるとよいだろう。株と同じように取引所で売買できるETF(上場投資信託)や証券会社で購入できる投資信託などインデックス運用の商品は豊富だ。

また、長期投資を行う際は資産を分散しておくことも必要であろう。特定の商品に偏らず、国内外の株式や投資信託、債券など様々な商品に効果的に分散投資を行うことができれば、一部資産の価格下落による影響を抑えることができるため、長期で資産を形成していくためには必要なことだ。

個人投資家が資産形成を行っていくためには、じっくり腰を据えて長期的な視点に立つことが効果的なのではないだろうか。

目的に応じた証券会社を選ぼう

長期投資、短期投資にはそれぞれメリット、デメリットがあり、人により向き不向きがあった。それと同様に、多数あるネット証券にも、目的に応じて、人それぞれ向き不向きがある。今回は以下の2つのネット証券を紹介するので、是非参考にしてみて欲しい。

SBI証券

ネット証券では最多の350万口座を誇る「SBI証券」。最大手という安心感からか、初心者の人気が他のネット証券に比べると高いようだ。取扱商品が多いのも人気の理由である。外国株やIPO銘柄など、それぞれにおいて取扱数は他のネット証券を上回る一方で、ミニ株やPTS(時間外取引)など取扱商品の種類も豊富だ。

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カブドットコム証券

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