(写真=マネーゴーランド)
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【材料】
・国民健康保険や会社で健康保険に加入していて、海外に出かける

【Point】
①海外で病気になった場合、申請をすることで治療費が戻ってくる
②実際に海外でかかった費用ではなく、日本で同じ治療を受けた場合の費用で計算される
③海外で受けとった領収書や治療内容に関して、翻訳する必要がある

※海外で病気になり、医療機関で12万円を支払ったが、日本での算定額が10万円だった場合

楽しい海外旅行。でも病気になったら大変と心配事はつきません。海外の医療機関で治療を受けた場合、国によっては多額のお金がかかることはよく知られています。

例えば、アメリカで盲腸になって入院をしたら医療費はなんと約200万円も。その高い医療費をカバーするために、海外旅行に行く前には、海外旅行保険に加入する人が多いのが一般的です。しかし、海外旅行保険は結構保険料がかかります。

実は、海外で支払った医療費は、日本の国民健康保険または会社の健康保険に海外療養費として申請することが可能なのです。海外療養費とは、海外で急な病気にかかりやむを得ず現地で治療を受けた場合、保険者に申請を行うことにより、支払った医療費の一部が戻ってくる制度です。

海外療養費は、海外で支払った費用の全額が認められるわけではありません。日本で同じ医療を受けた場合を想定して計算され、自己負担分(原則3割)を控除した金額が払い戻されます。つまり、7割の金額が戻ってくるのです。

ただし、健康保険は、日本国内で治療を受けることを原則としているため、日本国内で治療を受けることが可能であるのもかかわらず、治療を目的として海外で療養を行った場合には、海外療養費は支給されません。

海外療養費を申請する場合には、現地の医療機関にかかる時に下記のことに注意してください。

・海外の医療機関で医療費の全額を支払うこと
・海外の医療機関で治療内容の証明書(診療内容明細書)と診療に要した医療費の明細書(領収明細書)を出してもらうこと。金額だけ書かれた領収書では、申請できません。

さらに海外の医療機関で出してもらった「診療内容明細書」と「領収明細書」は、現地の言語で書かれていますので、帰国後日本語に翻訳をして申請書とともに提出する必要があります。実はこれが大変なので、申請を躊躇してしまう人が少なくありません。一般的な翻訳であればいいのですが、医療の専門用語が出てきたりして結構翻訳料でお金もかかってしまいます。

しかし、海外で高額の医療費を支払ったのであれば、戻ってくる金額も多いので、ここは翻訳にお金がかかっても申請をすることをお勧めします。また、この海外療養費の申請は、海外で支払った翌日から起算して2年でできなくなりますから要注意です。

では、健康保険からお金が戻ってくるので、海外旅行保険がいらないかというとそうとも言えません。最低の保険料でいいので加入しておくと安心でしょう。また海外で病気になり保険金が支払われた場合でも、健康保険からは海外療養費が別途支払われますので、より安心です。

*出典:健康保険組合連合会
*出典:健康保険組合連合会

菅田芳恵 社会保険労務士/ ファイナンシャル・プランナー
愛知大学卒業後、証券会社、銀行、生命保険会社、コンサルティング会社に勤務した後、49歳から2年間でCFPや社労士等7つの資格を取って独立開業。現在は13の資格を活かして、セミナーや研修講師、企業のコンサルティングを行っている。

(提供: マネーゴーランド )

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