(写真=Thinkstock/Getty Images)
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企業業績の失速感が鮮明だ。4日は前日に今3月期の利益予想を下方修正した日立製作所 <6501> とパナソニック <6752> が売り優勢となり、いずれも昨年来安値を更新。相次ぐ大手の収益下ブレに、株式市場の上値も重さを増す。ただ、そうした状況において、逆に増益の勢いを加速させている企業が存在感を強めている。好調をキープする住友電設 <1949> 、ハリマ化成グループ <4410> 、アステラス製薬 <4503> などに注目したい。

決算発表も前半戦を終え、5日のトヨタ自動車 <7203> の開示が済めば大勢が決する(*5日発表。営業利益が前年同期比9.0%増の2兆3056億円、2年連続で過去最高を更新)。これまでのところ総じて力強さに欠け、特に大企業が収益計画の大幅な減額に追い込まれるケースが目立っている。日立、パナソニックに加え、IHI <7013> やファナック <6954> などが見通しの悪化を機に株価の大幅安に見舞われた。

ピークの1月29日までに発表された東証1部641社の昨年10~12月決算を集計したメリルリンチ日本証券によれば、営業利益の伸びは前年同期比8.8%増とプラスながらも、7~9月(20.0%増)、4~6月(32.9%増)から顕著に縮小した。原油安や中国経済減速の影響が、企業業績を圧迫し始めたことを示している。

一方で、厳しい環境でも着実に増益幅を広げる企業への評価は一段と高まる公算だ。株式新聞では2日までの決算発表をベースに、営業増益率(前年同期比)の大きさが今3月期第1四半期(昨年4~6月)よりも第2四半期(同7~9月)、第2四半期よりも第3四半期(同10~12月)と拡大の続く企業を抽出。さらに、来期通期についても今期比1割超の増益が見込まれる銘柄をピックアップした。

住友電設、「基盤」揺るがず収益超過達成へ

住友電設 <1949> の好実態は決算数字が物語る。株価の〝基盤〟は揺るぎない。四半期ベースでとらえた連結営業利益は今3月期第1四半期(=1Q、昨年4~6月)が16億2700万円、第2四半期 (=2Q、同7~9月)は27億3600万円、第3四半期(=3Q、10~12月)が28億8400万円と着実に拡大。一般電気工事などの増収と採算アップによって、売上高営業利益率も1Qの5.49%に対して、2Q7.39%、3Q7.58%と向上した。

2月1日に発表した3Q累計(昨年4~12月)決算は営業利益が72億4700万円(前年同期比33.7%増)と大幅増益を達成したものの、通期見通しの94億円(前期比12.6%増)は据え置いた。逆算すると、第4四半期(1~3月)は21億5300万円の利益見通しとなり、現在のペースでは超過達成はまず間違いない。今後の収益の源泉となる3Q累計の受注高は1103億8000万円(前年同期比20.1%増)。株価は1月安値1314円で底を打ち、中勢出直り相場は緒に就いたばかり。PER9倍台は評価不足だ。

ハリマ化成G、新工場効果で来期も期待大

ハリマ化成グループ <4410> はロジン(松やに)などを原料とする化学素材メーカー。四半期の連結営業利益は昨年4~6月こそ前年同期比8.5%減にとどまったものの、7~9月は同2.6倍に急改善し、10~12月は同3.9倍とさらに大きく拡大した。米国で製紙用薬品が好調なほか、タイヤ材料向けの乳化剤なども伸長。コスト削減効果もあって収益性が上向いている。

来期に向けては、昨年末に試運転を始めた欧州新工場が本格稼働することで、低コスト生産に伴う競争力強化が期待される。同工場を擁する米国子会社の業績好転が見込まれ、一段の収益拡大につながりそうだ。利益率の高まりとともに、約0.5倍にとどまる低PBR(株価純資産倍率)が見直される可能性が高い。

アステラス薬、イクスタンジの業績けん引継続

アステラス製薬 <4503> は今3月期第3四半期累計(=3Q累計、昨年4~12月)の連結営業利益が2155億9900万円(前年同期比33.3%増)と好調に推移。伸び盛りの前立腺がん治療薬「イクスタンジ」が売上1888億円(同98.8%増)で全体をけん引し、過活動ぼうこう治療剤(ベタニス、ミラべトリック、ベットミガの合計)は601億円(同59.1%増)を売り上げた。

会社側は3Q累計の研究開発費の消化率が70%弱であることなど経費の後ずれを主因に通期の予想営業利益2290億円を据え置いたが、これでは第4四半期(1~3月)の営業利益が計算上134億円(同44.1%減)となり、好調な現状にそぐわない。通期は市場予想の2400億円強を少なからず上回る可能性がある。(2月5日株式新聞掲載記事)

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