(写真=PIXTA)
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転職支援・コンサルティングの仕事をしていると、「転職者は2社目の勤続年数が短い人が多いって本当ですか?」と聞かれることがあります。新卒一括採用が一般的な日本では、過去「退職まで勤めあげる」のもまた一般的でした。最近では転職が珍しくなくなってきたとはいえ、それでも転職活動は大きな労力がかかります。せっかく決心して転職したのに、なぜ短期間で辞めてしまうのでしょうか。長く勤められる会社を見つけるには、どうしたらいいのでしょうか。

転職で不満を解消できたはずなのに……

まず、「なぜ2社目は早めに辞めてしまう人が多いのか」について、解説します。相談に来られる方の傾向をみると、はじめての転職では、1社目の不満を解消するだけの仕事選びをしてしまう人が多いからではないかと考えます。

社会人になったばかりの若い世代は、求人情報からイメージしていた理想と現実のギャップを感じて不満を持ちがちです。チームを任されるようになる世代では、出世のスピードや働き方、不本意な異動などへの不満が、転職のきっかけになりやすいです。そして、とにかくその不満を解消できる転職先を探す傾向があります。

しかし、不満を解決しても、マイナスがゼロになるだけです。

長く続けるためには、自分が満足・充実・やりがい・喜びを得られる条件を考え、それを満たせる転職先を見つけることが大事です。マイナスをゼロにするのではなく、「プラス」にするための転職の条件を考えていきましょう。

たとえば、メーカーで開発に従事していたAさんは、給与面に不満を覚えていました。成果が給与に反映されないこと、同期と横並びであることが不満で転職を決意。転職して、年収は倍になりましたが、転職後はリストラの恐怖におびえながら仕事をしたといいます。

技術は移り変わるので、年収を維持するためには、常に知識や技術を磨く必要があります。転職先の同僚は、終業後も趣味の延長で勉強するような人ばかり。Aさんは興味のある仕事内容ではなかったため、勉強する意欲がわかず、「長く続けることはできないだろうな」と思いながら過ごす中で、早々に次のキャリアを考え、相談にいらっしゃいました。

また、残業が多いことが不満だったBさんは、転職先の実態を調べて、「残業がなさそうだ」と転職先を決めたそうです。当初はプライベートが充実して楽しかったのですが、2〜3カ月もすると、新たな不満が出てきました。それは「仕事が暇すぎて物足りない」というものでした。

そこで初めて自己分析してみて、自分は、残業が嫌なのではなく、自分の時間がまったく取れないことが不満だったのだと分かりました。実はBさんは、月に2日程度、帰宅後に自宅でゆっくり好きなDVDが見られれば満足だったのです。再び転職し、3社目では好きな仕事に忙しく、しかし楽しく取り組んでいます。

勤務時間、安全、給与、賞与は、不満要素にはなりますが、満足要素にはならないと言われています。不安要素とは別に、「どんな会社で、どんな仕事をしたら喜びを得られるか」を考えてください。その希望に沿って転職活動をすれば、たとえ初めての転職で見つけた2社目でも、長く勤めることができます。

「転職したい」と思ったらすべきこと

ただし、不満の根本原因も冷静に見てください。

「もう営業をしたくない」と事務職を希望していたCさんのケースです。話を聞いていくと、Cさんの不満は、「上司の指導法、罵倒されることが嫌」「売りたくない商品を売らされるのが嫌」「会社の営業方針に共感できない」というのが本音でした。営業自体が嫌なわけではなかったし、事務職に魅力ややりがいを感じていたわけでもありませんでした。

細かく希望を相談した結果、転職先は営業職で、上司に恵まれ、自分が惚れ込んだ商品を売りまくっているようです。

つまり、「転職したい」と思った時に、「自分の本当の不満は何なのか」を把握する必要があるということです。今、感じている不満を解消することだけを目的に転職活動を始めても、それを解消することはできません。

●まとめ

・不満の根本原因を見つける
・今の不満を解消するだけでは、マイナスがゼロになるだけ。プラスになる転職を意識する
・勤務時間、安全、給与、賞与は、不満要素になるが、満足要素にはならないと認識する
・「どんな会社で、どんな仕事をしたら喜びを得られるか」を考える

梅田幸子(天職コンサルタント/採用育成コンサルタント)

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