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各高級ブランドが時計離れ対策にスマートウォッチ
前回、前々回では高級時計の投資やブランドについて紹介した。高級時計を投資対象として利用している富裕層もいる一方で、若者を中心に腕時計離れが進んでいるのも事実だ。そこで高級腕時計ブランドはスマートウォッチ開発にも力を入れ、ユーザーとして比較的若い世代を取り込もうとしている。
【第5回】では、そんな高級腕時計ブランドのスマートウォッチ戦略について解説する。
タグ・ホイヤー 保証期間後は追加料金で自動巻き時計と交換も可
いち早くスマートウォッチの発売を決定したのが、タグ・ホイヤーだ。話題となったのはなんといっても、プロセッサーの巨人インテルと、ネットの覇者Googleとの共同開発だ。スマートウォッチのハードとソフトのノウハウを得て、いち早くラグジュアリー・スマートウオッチをローンチさせた。
高級時計としてタグ・ホイヤーの傑作レーシングウオッチ「カレラ」をベースに、サファイヤクリスタルガラスを採用するなどタグ・ホイヤーのクオリティを保ちながら、Intelプロセッサを採用し、針の影までリアルに表示する高解像度の液晶ディスプレーでAndroidやiOSアプリのデータを表示できる。メールやナビゲーションといったAndroid Wear提供の基本サービス機能をほぼ使用可能。タッチ&スワイプで画面を操作でき、スクリーン部は耐傷性の高いサファイアクリスタルを採用。装着時はアナログ時計と見間違うほど高精細だという。
開発には、ブランパンやオメガ、ウブロなど名だたる高級時計ブランドを完全復活させたジャン・クロード・ビーバー氏がタグ・ホイヤーのCEOとしてプロジェクトを先導していることから、その本気度の高さが伺える。
ちなみに、コネクテッドの保証期間2年を終了した後は、1500ユーロの追加料金を支払えば、自動巻きの腕時計と交換してくれるというサービスが付帯している。