金の価格が20%以上急落した2013年、中国における金の消費量が1176トン(前年比41%増)を記録し、インドを超える世界1の金消費国となった中国。金の買い控えを主張する中国政府の声とは反対に、いまだに世界生産量の4割に値する金塊を毎年買い占めているという。

2010年から比較すると7倍にも膨れ上がった金塊を、中国政府がどのような目的で保有しているのかは謎に包まれたままだが、香港統計局の最新データによると、2010年には100トンだった金の消費量が昨年には10倍近く(992トン)に跳ね上がっている。

また米ブルームバーグの昨年の報道から、2009年春には1054トンと公表されていた総所有量が、実際には3500トンを上回っていた可能性が高いことなども明らかになっている。

大量の金が人民元を安定させ、米ドルから中国を解き放つ

こうした背景から米ウェルス・ファーゴ、コモディティチームのジョン・ラフォージ氏は、中国の金の総所有量は実際に発表されている数字よりもはるかに多いと確信しており、「原油に次いで重要なコモディティである金を何に利用しているか、中国政府は他国に知られなくないのだ」と、徹底した秘密主義を貫く中国政府の姿勢に懐疑的だ。

中国が保有している金の大半は裕福層に流れているといわれているが、実物資産である金の大量保有は不安定な自国の貨幣(人民元)価値の安定に一役買うだけではなく、外貨準備をドルに占領させるわずらわしさからも解放されるなど、中国にとっては一石二鳥に違いない。

国際統計データ専門サイト、グローバルノートの昨年の報告によると、総保有量では8133トンを誇る米国や3384トンのドイツにはかなわず、世界7位の座に甘んじているようだが、ラフォージ氏の憶測が当たっていた場合、一体どれほどの金が中国本土に隠されているのか——やがて明るみにでる日が訪れるのだろうか。(ZUU online 編集部)