老後の生活に対して、お金の面で不安に思っている人は多いのではないでしょうか。
生活費だけでなく、高齢となるとさまざまな介護費用がかかってきます。
では、介護にかかる費用にはどのようなものがあるのか、主なものを項目ごとに見てみましょう。
介護サービスにかかる費用
● 訪問介護費 ヘルパーが身の回りの世話をしてくれる 1時間3,880円
訪問介護は、専門のヘルパーが身の回りの世話をしてくれるというものです。食事、トイレ、入浴、着替えといった生活の補助をしてくれます。また、掃除や買物なども含まれます。要介護認定を受けている場合、国が定めた介護報酬は30分から1時間で3,880円になります。たとえば、月20回利用するとした場合の費用は、3,880円×20日=7万7,600円になります 。
● 訪問看護費 看護師などが訪問して診療補助 1時間8,140円
訪問看護は、看護師や保健師が療養の観察や診療の補助、栄養管理指導を行います。国が定めた介護報酬は30分から1時間で8,140円になります 。たとえば、月5回利用するとした場合の費用は、8,140円×5回=4万700円になります。
● デイサービス 介護施設で入浴や食事など 1回6,560円〜
デイサービスは、介護施設に要介護者が訪問し、入浴や食事等の日常生活上の支援を受けられるサービスです。要介護者が外出する機会をつくるとともに、家族が休息をとる目的もあります。国が定めた介護報酬は要介護度1の場合で1回の利用料は6,560円になります 。たとえば、月10回利用するとした場合の費用は、6,560円×10回=6万5,600円になります。
介護用具(自費で購入した場合)
● 車いす 手動か電動かで大きく異なる 1万円台~
足が不自由になった場合の移動手段として車いすが必要になります。車いすの値段は手動と電動でも大きく異なり1万円〜50万円と幅があります。
● 介護用ベッド リフト付きだと100万円超えも 7万円~
足が不自由であったり寝たきりだったりする場合、介護用ベッドが必要になります。介護ベッドもリフト付のものだと高いもので170万円、簡易なものでも7万円ほどします。
● 介護用トイレ ポータブルトイレも 5,000円~
介護用トイレはベッドサイドに設置するものや、移動式のポータブルトイレなどがあります。簡易のものなら5,000円程度のものありますが、高機能なものでは10万円以上するものもあります。
※車いすや介護ベッドを購入する場合は介護保険の対象にはなっておらず、介護保険給付の適用を受けるにはレンタルでなければなりません。また要介護1の場合には、車いすや介護ベッドは対象外なので注意が必要です。
住宅改修(自費で改修した場合)
● スロープ、手すり 安全のために自宅に設置 手すり1ヵ所1万円~
歩行が困難な要介護者が安全に移動できるように、スロープや手すりを設置するということもあります。リフォームなので家の状態によっても費用は変わりますが、手すりは1ヵ所につき1万〜3万円程度、スロープは7万〜15万円程度かかります。
※住宅改修の場合も、介護保険が給付されるケースがあります。手すりの設置や段差解消など介護に適した改修については最高20万円までの工事費用に対してその9割(18万円)が支給となります。(高齢者住宅改修費用助成制度)
介護保険はあるけれど……
以上のとおり、介護費用は決して安いものではありませんが、介護保険があるので、介護認定を受けていると自己負担は費用の1割となるものもあります。介護保険の給付は、介護認定の等級によって認められる額が決まっています。たとえば居宅サービスの場合、要介護1で1ヵ月当たり5万30円、要介護5の場合には36万650円となっています。
しかし、介護保険を利用できるとしても、要介護度によって受けられるサービスの量や内容が決まっているので、その分を超えたり範囲外のサービスを利用したりすると自己負担となります。介護の程度が重い場合、介護保険の給付額も多くなりますが、介護保険の対象にならない出費も考えると介護の程度が重いほど費用負担も大きくなると考えられます。
以上のことから、今後を見据えて、今から介護に関するプランを考えてみてはいかがでしょうか。(提供: お金のキャンパス )
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