経営者,格言,座右の銘,
(写真=PIXTA)

困難に直面した時、落ち込んだ時などに、立ち直ったり原点に帰ったりするために役立つ「座右の銘」。昔からある言葉、謹言は多くのビジネスパーソンの心の支えとなっているはずだ。誰もが知るあの有名社長、企業創業者はどんな「座右の銘」を持っているのだろうか。10人ほどピックアップしてみた。

「失意泰然得意淡然」 岩瀬大輔氏(ライフネット生命保険社長)

失意の時こそ落ち込まず堂々と構え、得意の時は調子に乗らず慎重に事にあたれという意味だそうだ。

業界初となる医療保険のオンライン給付金請求手続きを導入したり、同性パートナーも死亡保険金受取人に指定できるサービスを設定したりと時代の先を走ってきた同社だが、岩瀬社長はインタビューで、意外にも「僕は順調になると気持ちが悪くて、心配になってしまうんです」と人間臭さを見せている。

トップの精神状態は隅々の社員にまで影響するといい、自分が元気でいるためにこの言葉を意識しているそうだ。

「社員の数に三倍掛けた人数の生活を守る意識を持つ」 田中秀子氏(博水社社長)

「わるならハイサワー」のテレビCMでも知られる博水社の3代目社長。この言葉は、ハイサワーを開発した父で先代社長の専一氏(現会長)から2009年に社長の座を譲り受ける際に説いて聞かされたものだそう。

「社長は日頃顔を合わせることのない、社員の家族の分まで責任を自覚していなさい」という意だ。

秀子氏はハイサワーの魅力について「主役になろうとせず、あくまで脇役として何にでも寄り添う精神」だと語り、新商品やグッズの販売にも積極的だ。

「できるかできないかではない、やるかやらないかである」 野坂英吾氏(トレジャーファクトリー社長)

関東を中心にリサイクルショップ約60店舗を展開するトレジャーファクトリー。その年商は80億円以上とされている。

1995年に大学4年生で起業した野坂氏は当時について「ゼロから1を生み出した経験」だと振り返り、そこから例え不可能とされることでも「やると決めて、そこから行動することで道が開けていく」という強い思いを持ち続けている。

同社は幅広い品揃えと状態の良い品の大量買い取りで顧客の圧倒的な満足度を獲得、業績を伸ばしている。

「自然体」 南場智子氏(ディー・エヌ・エー創業者)

1999年に「日本一のネットオークションを作ろう」とディー・エヌ・エーを立ち上げ、幅広い事業展開で日本を代表するIT企業に一代で育て上げた南場氏。

入社1年目の社員にも常に高いプロ意識を要求する厳しさも持っている一方で、「才能あふれる若い人材がイキイキと仕事をしている」ことを自社の誇りと語る温かさも持ち合わせており、その人生を通して「自然体」を体現している。

「先義後利」 鉢嶺登氏(オプト創業者)

道義を優先させ、利益を後回しにするという意味。「新しい価値を生み出すこととは〝あの会社、あってよかった〟と思われること」だと語る鉢嶺氏の理念を簡潔に現している。

1997年にネット広告に進出した同社はマーケティング事業に強みを見せ現在では広告取扱高NO.1の広告代理店となっている。最近ではその枠にとどまらず、リサーチから戦略の提案、メディアプランニングといった一連のソリューションを提供するeマーケティング企業として成長中だ。