発展途上国,モバイル決済,ゲイツ財団
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「FinTechが貧困救済に大いに貢献する」という信念のもと、発展途上国におけるデジタル・ファイナンスの普及に力を入れているのが、世界最大の慈善募金団体、ビル&メリンダ・ゲイツ財団だ。

銀行へアクセスできない環境で生活している人々は現在、世界中で20億人。これらの人々に「FinTechで生活を豊かにする支援を行う」という動きが、欧米で徐々に広がりつつある。発展途上国の市場開発が、サービスを提供する側にとっても可能性をふんだんに秘めた事業チャンスであることはいうまでもない

FinTechで貧困生活が生産的に

貯蓄や送金をする術をもたず、「貧困のスパイラル」から脱出できずに苦しんでいる人々を援助する手段として、FinTechを利用しない手はない--という新しい発想は、これまで「FinTechと貧困層は縁がない」と思い込んでいた多くの人間にとっては、完全に目からウロコである。

携帯の電波が貧困地域の9割に普及した近年、Mペサに代表されるモバイル決済の需要が高騰している。Mペサは2007年、Vodafoneがケニヤとタンザニアで開始した送金、小口融資サービスだ。手軽さと低コストで人気に火がつき、瞬く間にユーザー数が1700万人を突破した。

バングラデシュではbKashが、2011年の設立からわずか3年で1000万人から利用される人気モバイルファイナンス会社に成長。ユーザーはbKashの提供するモバイルウォレットを通して、支払いから貯蓄まで様々なサービスにアクセスできる。取引は中央銀行の管轄下で行われ、手数料である利用金額の1.85%がbKashの利益となる。

ゲイツ財団の貧困層ファイナンス部門次長、コスタ・ペリッチ氏は3月24日、「非銀行利用者層にFinTechを持ち込むことで、貧困にあえぐ日常を生産的にできる」との見解を米ニュースサイトで示した。

世界各国から1500人の政府関係者、金融関係者、FinTech企業家などが集結して来月ロンドンで開催される「イノベーション・ファイナンス・グローバル・サミット」で、こうした議題がより具体的に協議されることを願っているという。

貧困の支援活動となると同時に経済拡大に貢献するとなれば、これ以上の「金融革命」があり得るだろうか。ブロックチェーンを始めとするテクノロジー面で話題が先行しがちなFinTechに、まったく違った角度から焦点を当てる良い機会となるはずだ。( FinTech online編集部

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