米ソフトウェア会社シマンテックが、最も「トロイの木馬」の標的となっている10カ国を発表した。

最も狙われているのは3年連続で米国。金融機関とサービスや商品を利用している消費者数、インターネットの普及率などを考慮すると、決して驚くような結果ではないだろう。2位のドイツと4位のインドは昨年から若干リスクが増加。2013年には米国に次いで2位だった日本は昨年同様4位だ。

「トロイの木馬」は73%減少 ランサムウェアに移行

サンプルから設定ファイルを摘出、分析した調査からは、金融情報を盗みだす目的で拡散された「トロイの木馬」の総数が、過去1年間で73%も減っていることが明らかになっている。ピーク時であった2014年の70万件から昨年には3万5000件まで減少した。

しかしこの数字はマルウェア (悪質な誘導ウィルス)の死滅を示すわけではなく、アタッカーである犯罪者側が効率化を図る目的で、ターゲットを個人消費者から金融機関に移行させたことによるものだという。

それを裏付けるかのように、調査で収集したサンプルのURLパターン数は405%(283件)の増加を見せており、新手のマルウェアも拡大傾向にある。金融機関を狙った被害については、2月から3月にかけて1億100万ドル(約112億3524万円)の不正送金被害をだした、バングラデシュ中央銀行の事件が記憶に新しい。

シマンテックのセキュリティー研究者、カンディド・ウェスト氏を始めとする専門家は「サイバー犯罪集団の手口がますます洗練されていっている」と警告。

「トロイの木馬」Dridexの背後にある犯罪集団は、「トロイの木馬」からランサムウェア(ユーザーのデータを暗号化するなどして、解除と引き換えに金銭を要求する恐喝用マルウェア)に切り替える傾向も見られているという。

「トロイの木馬」が狙いうちしている10カ国

9位 豪州
9位 ロシア
8位 フランス
7位 イタリア
6位 カナダ
5位 英国
4位 日本
3位 インド
2位 ドイツ
1位 米国

FinTech online編集部

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