Amazonが決済分野強化に向け、FinTechスタートアップの買収を検討していることを、外部決済サービス部門の副社長パトリック・ゴーチエ氏が明らかにした。

4月4日からは大人気のワンクリック決済システム「Pay with Amazon」をeコマース・プラットフォームとして一般オンライン小売業者にも開放するなど、決済産業への進出が目立つAmazon。スタートアップの評価額が下落傾向にある今が買い時と、お眼鏡にかなうスタートアップを物色中だ。

「Pay with Amazonの拡大に貢献できる良きチームを」

「Pay with Amazon」は2013年のサービス開始以来、「ログインとワンクリックだけで決済完了」という手軽さで消費力を煽ることに大成功。昨年はユーザー数が2300万に達し(前年比150%増)、オンライン小売業者の契約数も200%の伸びを見せた。

コペンハーゲンで4月5日から9日まで開催中の金融イベント「Money20/20」で米メディアのインタビューに応じたゴーチエ氏は、「独自の決済システムの開発から数年が経過し、現在はさらなる飛躍の機会を物色している」と発言。具体的な企業名については沈黙を守ったものの、「 Pay with Amazonの拡大に貢献できる良きチームを取り入れる」方向で動いていることを明確にした。

昨年までは飛ぶ鳥落とす勢いだったスタートアップの評価額は、今年に入って「より現実的なもの」になり始めている。プライスウォーターハウスクーパースが発表した最新レポートでは、スタートアップによる決済システムの開発が熟成期に達したことなどが指摘されており、投資する側もスタートアップというだけでやみくもに飛びつくのではなく、本物だけを見極める目を養い始めたようだ。

ゴーチエ氏こうした流れの変化をAmazonにとって絶好の「FinTech買い時」と見なし、外部の知識と技術を吸収することで新たな事業展開を狙っている。

PaypalやVisaといった既存の決済企業を始め、AppleやGoogleなども本来の事業分野の枠組みを超えて決済産業を標的にしている今、eコマースのトップ企業の進出は市場をますます盛り上げるだろう。( FinTech online編集部

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