ふるさと納税,地方創生,
(写真=PIXTA)

総務省は、自治体間の特典競争が過熱しているふるさと納税について、転売しやすい家電製品や商品券を特典としないよう通知した。税額控除を受けられる無償の寄付行為にふさわしくないというのが理由で、エスカレートする一方の特典競争に歯止めをかけるのが狙いだ。

ふるさと納税では土地や電子マネーなど常識を逸脱した特典がしばしば登場し、問題になっている。多額の収入を得ている自治体には戸惑いと反発の声が広がっているが、この通知で行き過ぎた競争は収まるのだろうか。

商品券やパソコン、家電の自粛を要請

総務省市町村税課によると、通知は高市早苗総務大臣の名で出された。ふるさと納税で「金銭に類似するもの」と「資産価値があるもの」の合計11項目について、特典に加えるのを自粛するよう求める内容だ。

「金銭に類似するもの」として挙げたのは、プリペイドカード、商品券、電子マネー、ポイントマイル、通信料金。「資産価値があるもの」には、家電など電気機器、パソコンなど電子機器、貴金属、ゴルフ用品、自転車を列挙している。

総務省は2015年4月にも通知を出したが、自粛対象を「プリペイドカード等」としていたため、その後も商品券などを特典に加える自治体が相次いだ。総務省は前回の通達で意図が伝わらなかったとしてあらためて通知した。

ただこの通知はあくまで「技術的な助言」という位置づけになり、法的な拘束力を持たない。特典を転売して換金できる現状のままだと、制度を悪用した不適切な利得が野放しになるが、自粛要請を受け入れるかどうかは、各自治体の判断に委ねられる。

宅地など不適切な特典が相次いで問題に

ふるさと納税は、寄付額のうち2000円を超す分が、所得税と個人住民税から控除される。寄付する側からすれば、特典の価値のうち2000円を超す部分が儲けとなる。控除対象となる寄付額が大きいほど、儲けが大きくなる仕組みだ。

魅力的でお得感がある特典を用意すれば、寄付を簡単に集められることから、自治体間の競争は激しさを増す一方。ふるさと納税で税収を上回る寄付を集めた自治体も、いくつか登場している。

さらに、これに便乗した民間業者のWebサイトで通信販売のような感覚で寄付先を選べるようになってきた。このため、2014年1年間で341億円以上の寄付が全国の自治体に寄せられるなど、ふるさと納税の利用は急激に広がっている。

特に後発の自治体は知名度を上げるため、目を引く特典を掲げる傾向が強く、家電製品や商品券を特典にする例が目立つ。石川県加賀市の電子マネー、京都府宮津市の宅地など市民や総務省から不適切と指摘され、中止に追い込まれた例も出ている。

地元にどんな関係があるのかよく分からない外国産のカブトムシ(香川県東かがわ市)、初音ミクのフィギュア(鳥取県倉吉市)、宝くじ(山口県宇部市)、がんのPET検査(北海道砂川市)など変わり種の特典も相次いでいる。