毎月分配型投信が日本では投信の売れ筋になっています。
株式型投信の残高は2011年末で45兆円程ですが、70%弱が毎月分配型投信となっています。

この毎月分配型投信ですが、

・毎月分配型投信は資産運用における複利の効果が得られない。
・多くの毎月分配型投信では元本を取り崩して分配していて運用成果になっていない。
・(分配金を利用する予定がなく、分配金で同じ投資信託に再投資する場合には)分配金には税金がかかるため、控除される税金の分だけ再投資額が少なくなり投資の効率が悪くなる。

など様々な識者や専門家から毎月分配型投信へは多くの批判が上がっていますが、依然として人気となっています。


◯毎月分配型投信の課題〜分配金による元本の取崩し〜

2012 年6月からはさすがに元本を取り崩して払い戻す分は、運用報告書において「特別分配金」から「元本払戻金」とより実態を表すように変わりました。このため運用報告書をきちんと見ていれば、元本の取り崩しで分配がされていることに誤解は生じないよう配慮されることとなりました。
(旧称の特別分配金という名称では元本の払い戻しだと理解していない人も多かったのではないでしょうか。)

私自身は資産形成世代で、元本まで勝手に払い戻されてしまうような毎月分配型投信には用はありません。また、そもそも対面で販売されることの多い投資信託ですが、通常の場合では販売手数料を3%、信託報酬2%近くのコストを負担するという高コストは検討する気が起きないくらいあり得ないです。さらに分配金を出すためにあの手この手で複合的にリスクを取る運用(通過選択型やカバードコールの組み合わせなど)をされ、うまくいかなかった結果でも元本の一部だけは返ってくるなんて、もはや余計なお世話です。