◯毎月分配型投信が売れる理由②〜金融機関の販売姿勢〜

このような点については、下記リンクの記事では、行動ファイナンスという観点から、双曲割引、代表性のヒューリスティック、プロスペクト理論、心の会計という概念から毎月分配型にハマる人間心理についての日経記事での解説を取り上げています。

マネーのネタ帳(2012/10/5)「毎月分配型投信の購入と保有の理由を行動ファイナンスの観点から考える」

他に、毎月分配金型の投信が売れる理由で大きいと私が思っているのは、「金融機関の販売姿勢」です。
毎月分配金型の投信の大半の購入者は高齢者で、年金の上乗せというニーズにうまく乗せて売り込みの営業トークがされます。「毎月これだけの利回りが入ってきますよ」とご丁寧に「分配金利回り」なる表を見せて、リスクの説明をなるべく曖昧にしつつ分配金がどれだけもらえるかを強調する説明をする方も多いといいます。

投資のご経験のない多くの高齢者は分配金利回りの分の運用がされているに違いないと思い、仕組みを十分に理解することなく 買ってしまいます。目論見書を精読する人は実際にはいないでしょうし、運用報告書にきちんと目を通す人は、推測ですが肌感覚では半分もいないのではないかと思います。
そして、銀行などで強く勧められると、銀行が悪いものを提供するはずがないのだと信頼し、買ってしまう人は多いでしょう。

結果として、「分配金利回り」は「運用利回り」ではなく、多くの分配型投信は「分配金利回り」>「運用利回り」となり、「元本払戻金」が発生していますが、上記の心理上の理由で維持されている。

これらが永続的に回っていくやり方なのかどうかは疑問ですが、現実として分配金有りの投信という巨大なマーケットを作っている大きな理由であると私は推察しています。

BY ASK( マネーの知恵 より)
本人の同意のもと、ブログ記事を一部修正等を行った上で掲載しています。
同Blog記事 毎月分配型投信はなぜ人気があり、売れるのか? (2012年11月18日)