オーストラリア政府とドイツ政府がビットコイン犯罪の共同研究プロジェクト「ビット・クライム」を立ち上げた。仮想通貨に関する「革命的で効率的な規制設立」の目安にすると同時に、仮想通貨を悪用した犯罪の追求と予防対策に役立てようという狙いだ。
オーストラリア政府は72万5000ドル(約7766万9250円)、ドイツ政府は200万ドル(約2億1426万円)を投じての大型プロジェクトとなる予定で、オーストラリア連邦輸送改革技術研究所、オーストラリア技術研究所、ドイツ連邦刑事警察機構、ヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学など、両国の政府機関が全面的に支援する。
仮想通貨の普及促進には国際的な法整備が必須
両国の政府は急速に拡大中の仮想通貨市場で、今なお基盤となるフレームワークが確立していないことから、「プロジェクトの成果が単一国という枠組みを超えて、世界中でインター・オペラビリティー(相互運用性)・ソリューションとして受け入れられること」を目指している。
プロジェクトではドイツの機関が「技術的、組織的アプローチ」を担当し、仮想通貨の流通から闇取引に共通する特徴などを分析することで、効果的な犯罪対策を打ち出そうとしている。オーストラリアのほうは金融犯罪の典型的なパターンや、「ダークウェブ」からSNSまで犯罪が起こる可能性があるエコシステムを特定するための効果的な手法を探索する。
仮想通貨の規制に向けた各国政府の動きは近年活発化しており、欧州議会でも仮想通貨に関する研究や政策アドバイスを提供する「仮想通貨局」の設置が提案されている。
ロシア政府や中国政府など、独自の仮想通貨の発行を検討している国もあり、これらの国は共通して仮想通貨が自国や消費者にもたらす恩恵の可能性を肯定している一方で、テロやマネーロンダリング、違法売買といった犯罪行為が利益を生み出している現状に、強制的な手段を用いてでも対応する姿勢を示している。
世界各国が共有できる法整備を置くことで、仮想通貨につきまとうダークなイメージを払拭し、将来的に主流に押し上げる可能性が広がるかも知れない。( FinTech online編集部 )
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