政治・宗教ネタはタブーではない!?

趣味がない人でもすぐに使える鉄板ネタといえば、出身地や住んでいる場所の話題だ。ただし、使い方には注意したほうがいいと赤羽氏は言う。

「いきなり相手に『どこ出身ですか?』などと聞くのはタブー。『なんで詮索するのか?』と怪しまれてしまいます。大切なのは、自己紹介などのときに、自分から出身地や住んでいる場所を言うこと。すると、相手も『実は隣町出身なんですよ』といった話をしてくれるものです」

タブーな雑談ネタとして知られる政治や宗教については、やり方によってはアリだという。

「ポイントは、自分たちから遠い話題を、ゴシップ紙のノリで話すこと。あくまで親しくなるためですから、良し悪しを論じたり、信条を言ったりする必要はありません。今なら米国大統領選が格好のネタ。『トランプ大統領になったら、米国はどうなるんですかね~』と、あくまで客観的に話すと、意外と盛り上がることがあります。宗教も、海外出張が多い人はイスラム圏の動向などに関心があるので、最新情報を提供するのならアリです。

日本の政治の話は、自分たちから距離が近すぎて良し悪しの話になりやすいので、避けたほうが無難です。ケチだけをつけることにもなります」

赤羽雄二(あかば・ゆうじ)ブレークスルーパートナーズ〔株〕マネージングディレクター
1954年生まれ。78年、東京大学卒業後、〔株〕小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計・開発に携わる。83年よりスタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級課程を修了。86年、マッキンゼーに入社。90年にはマッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げ、120名強に成長させる原動力となるとともに、韓国企業、とくにLGグループの世界的な躍進を支えた。2002年、ブレークスルーパートナーズ〔株〕を共同創業。著書に『ゼロ秒思考』(ダイヤモンド社)などがある。(取材・構成:杉山直隆 写真撮影:長谷川博一)(『 The 21 online 』2016年5月号より)

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