仕事のパフォーマンスが落ちているときに体調へ目を向けてみると、疲れやすかったり、眠りが浅かったり、動悸がするなど、病気以前の不調が見られるかもしれません。多くの場合、その不調の原因は自律神経の乱れにあります。
自律神経は交感神経と副交感神経からなり、胃腸の働き、心臓の拍動、代謝や体温など生命を保つ上で大切な体の働きを自動的に調整しています。そのうち交感神経は「昼の神経」といわれ、目覚めているときや興奮しているときに優位になる神経、副交感神経は「夜の神経」といわれ、眠っているときやリラックスしているときに優位になる神経です。
この2つの神経のバランスがとれていると、夜はくつろいで安眠でき、昼は集中して物事に取り組めるため、結果的に仕事のパフォーマンスが向上することになります。
自律神経の乱れとはとういう状態か
仕事が忙しく緊張した状態が続いたり、残業などで就寝時間が遅れたりすることが多いと交感神経だけが優位に働き、夜になっても副交感神経へうまく切り替わりません。副交感神経がきちんと働かないと眠りが浅くなるため、心身の疲れが取りきれず、日中もだるかったり疲れやすかったりします。このようなだるさを解消すると、それだけで仕事のパフォーマンスは向上するはずです。
また、交感神経が優位な状態が続くと、血管が収縮して頭痛や肩こりが起こったり、血圧の上昇により動悸や息切れなどの症状が現れたりします。食欲不振、胃腸の不調、手足の冷えやしびれ、目の疲れ、多汗などの症状も自律神経の乱れに関係していることがあります。そのような自律神経の乱れは免疫の働きを低下させ、風邪を引きやすくなるなど、さまざまな病気の一因となります。