選挙にはお金がかかる。政府や自治体から、選挙費用として拠出されている公費は、先の参院選で約500億円。原資はいうまでもなく税金である。
今度は都知事選。今回はどのくらいの公費がかかり、選挙に行かないと税金をいくら捨てたことになるのか。費用と無駄という角度から、先の参院選の概算と合わせて見直してみたい。
2016参院選挙はいくらかかったのか?
政府与党の圧勝で終わった今回の参議院選挙。投票率は約54.7%だった(総務省発表)。投票率は前回2013年の52.61%を選挙区で2.09ポイント、比例代表で2.08ポイント上回ったという。
参院選について政府が事業費として計上した予算は、約535億円。内訳はテレビの政見放送や新聞広告、ポスターの作成、ポスター掲示上の設置・撤去費、期日前投票や選挙事務全般の事務費、選挙公報の印刷経費などである。こうした費用は、法律で公費から拠出することになっている。
では一人あたりの金額はいくらだったのだろうか? 選挙当日の有権者数は全国で約1億620万人。そこで単純計算すると、535億円(選挙公費)÷1億620万人(有権者数)≒503円(一人当たりの公費)で、1票にかかる公費は約500円。つまり1票を投じるための費用として、政府は一人あたり500円を使ったことになる。
つまり選挙に行かなかった人は、この500円を使用しなかった、無駄にしたことになる。その総額を計算してみよう。
1億620万人(選挙民)×45.3%(選挙に行かなかった人)×500円(一人あたりの選挙公費)≒240億5430万円
無駄になった公費は約240億円。バチカン市国の国家予算にほぼ匹敵する金額である。それだけの税金が無駄になったと言える。