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(写真=PIXTA)

今では多くの人が使っているiPhoneやMac。実は時々値上げしていることをご存知でしょうか。

例えば、iPhone 6やiPhone6 Plusは、2014年11月に10%以上値上げしています。iPhone 6の16GBで6万7,800円が7万5,800円へと8,000円の値上げ、128GBで8万9,800円が9万9,800円へと1万円の値上げが当時行われました。

またMacに関しても2015年3月10日に値上げを行っています。Mac(15インチ、2.5GHz Retinaディスプレイ)は24万8,800円(税別)が28万2,800円と3万4,000円も値上げとなったのです。実に13.7%もの上昇です。

値上げの主な理由は為替レートです。円安(ドル高)へと大きく動いたことが挙げられます。

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(写真=PIXTA)

円安・円高とはどういうことか?

円安になればなぜ価格が上がるのでしょうか。

為替レートは刻々と変動していますが、円安や円高は、「価格」が高くなるとか安くなることを示すというよりは、本来は日本円の「価値」が下がったか上がったかということを示しています。

例えば、1ドル=120円から100円になったとしましょう。この場合には日本円の「価値」が上がったことを意味します。海外の100ドルの食品を輸入した場合、これまで1万2,000円かかっていたものが1万円で買えることになります。同じ100ドルの食品を輸入するのに円の支払いが少なくて済んだのは、その分円の価値が高まったからです。これを「日本円の価値が上がる=円高」といいます。

一方、1ドル100円から120円になれば、100ドルのものを買う時の金額は1万円から1万2,000円へ上がります。先ほどとは逆に、同じ100ドルのものを輸入するのに、円の支払いが増えています。これは円の価値が下がったからで、「日本円の価値下がる=円安」という言い方をします。

iPhoneやMacの事例は、円安(ドル高)へと為替が動いたことが値上げにつながったわけです。2014年9月には1ドル109円前後であったものが、2014年11月には1ドル116円前後へと円安へなったことが当時の値上げの背景にあるわけです。

日本人から見れば、輸入する際には円高のほうが価格は安くなります。これは企業においても同じです。輸入を中心に行う輸入企業では、円高に振れたほうが取引金額を抑えることができます。一方、輸出を中心に行う企業では、円安に振れたほうが取引金額も増えて利益も多くなります。

為替レートは様々な理由で動きますが、「円」は世界的にも信用度の高い通貨と言われています。そのため、米国や欧州において経済の先行き不安のニュースが出ると、世界経済情勢が不安定になることを恐れて信用度の高い円が買われる傾向にあり、円高となります。2016年年初の世界経済情勢不安から円高へと振れたのはこうした理由があるからです。