札幌
(写真=PIXTA)

地方移住者が4年で約3倍増加という現実が意味するものは

昨今、UターンやIターンという言葉が定着するくらい、地方への移住者が増えています。これは、東京への一極集中や地方の人口減少が懸念されるなかで、若者の地方への移住意識が高まっていることや、自治体の支援策が拡充してきたことが背景にあると考えられています。

調査によると、移住の理由としては出身地へのUターンが中心となっていますが、ゆとりある生き方を求める「スローライフ」を実現したいという意見も目立っています。そのため最近はUターンだけではなく、Iターンも脚光を浴びているのです。移住を検討する上で困っていることは、情報が十分でないことや情報の入手先がわからないということが挙げられています。(まち・ひと・しごと創生本部『東京在住者の今後の移住に関する意向調査(2014年)』より)

Iターンは、特に首都圏で生まれ育った人が、地方での暮らしに魅力を感じて移住、転職することをいいます。「自然豊かな環境で暮らしたい」「伸び伸びできる環境で子育てをしたい」などを理由にあげる人が多いようです。

UターンやIターンの大きなメリットの一つに、東京などの大都市圏よりも圧倒的に住宅費が安いことがあります。

総務省統計局「平成25年度土地・住宅統計調査」のデータによると、首都圏の借家平均家賃が6万6170円に対し、それ以外の44道府県の借家平均家賃は4万4298円となっています。また借家の平均面積を比較すると首都圏が42.6平方メートルに対し、それ以外の44道府県は49.9平方メートルと、7平方メートル以上広くなるのです。通勤時間も首都圏が往復約90分であるのに対し、地方の44道府県の通勤時間は往復約45分、なんと半分です。移住希望者は、趣味と仕事の両立、子育てなど、ワーク・ライフ・バランスも快適なものを求めているのです。