イオン

流通大手のイオンとセブン&アイ・ホールディングスの首都圏におけるシェア争いが熾烈を極めそうな展開となってきました。 2014年5月19日、イオンはマルエツ、カスミ、丸紅の3社と「首都圏におけるスーパーマーケット連合」の創設について合意(基本合意書締結)した事を発表しました。2020年に東京で開催されるオリンピックにより首都圏への人口流入増加や新しいインフラ、サービス等が発展する事を鑑みると成長性のある市場であり、これに対応する為の新しい組織の枠組みをつくる必要があるという背景から合意に至りました。また、丸紅を除くマルエツ、カスミはイオン子会社のマックスバリュ関東と共に新しく設立する会社の傘下に入る事が決まっており、かなり具体的な資本提携構造が進みつつあります。

もう一方の大手、セブン&アイ・ホールディングスはコンビニ最大手セブンイレブンが非常に大きな存在となりイオンに立ちはだかっています。セブン&アイは首都圏でのシェアが高くイオンは十分に入り込めていないのが実情です。首都圏におけるドミナント出店戦略等により徹底的に顧客に対する認知度を向上させて競合の参入を許さない戦略が功を奏している様です。また、セブンプレミアムといったコンビニなのにプレミアム感のある商品(デザート、コーヒー等が有名)のラインナップは他の流通大手と一線を画しています。

イオンが首都圏での躍進を遂げる為には組織としてただ大きくなっただけでは顧客に対して存在感をアピールできません。やはり、何か違う高品質、高品位な商品・サービスをどんな風に提供できるかがキーポイントとなってくると思われます。イオンはPBである「トップバリュ」を既に持っており、一定の認知度を上げる事に成功しています。こういった付加価値のあるPB矢継ぎ早にどのくらい立ちあげる事が出来るかで顧客の認知度・注目度が変化してきます。

また、セブン&アイは物流システム、情報システムにおいても高効率化が進んでいます。IT技術を駆使したオンデマンドな物流、グループ間を横串で支えるPOSシステム等により徹底した管理コストの削減が図られています。一方イオンは組織の枠組みが決まったばかりでシステムの統合は時間も金も掛かる頭の痛い話です。こういったディスアドバンテージをどの様にクリアして追いついて行くのかと言う戦略が今後注目を集めることとなるでしょう。

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