GDP,アベノミクス,財政政策
(写真=PIXTA)

2016年4-6月期の実質GDPは前期比+0.3%(年率+1.1%)を予想する。2四半期連続のプラスになったと考える。

1-3月期はうるう年の効果(年率+1.2ppt程度)などで前期比+0.5%(年率+1.9%)となり、4-6月期にはその反動が懸念されたがプラス成長を維持し、トレンドとしての持ち直しが確認されるだろう。ただ、うるう年の反動、そして曜日並びのよかったゴールデンウィークなど、季節性が通常より大きく、季節調整の影響などで、結果が上下に大きく振れるリスクがあることに注意が必要だ。

プラスになったのは政策対応の効果

年初からグローバルに景気・マーケット動向が不安定化し、6月には英国のEU離脱問題もあり、企業心理と活動が下押された。実質設備投資は前期比-0.5%と2四半期連続のマイナスとなり、在庫増加に対する懸念から民間在庫投資の実質GDP寄与度も-0.2%と4四半期連続のマイナスになったと予想する。生産活動向けの原材料の輸入も低調で、実質輸入は前期比-0.5%と3四半期連続でマイナスになったとみられる。グローバルに貿易活動は停滞しており、実質輸出は横ばいとみる。

一方、家計の活動には持ち直しの動きがみられた。雇用環境は極めてよく、賃金上昇も始まっているため、株価低迷などの下押しを乗り越えて、実質消費は前期比+0.4%と2四半期連続でプラスになったとみられる。堅調な企業収益を背景とした夏のボーナスの増加も貢献したとみる。日銀のマイナス金利政策による住宅ローン金利の低下の影響もあり、実質住宅投資が前期比+2.5%と好調で、3四半期ぶりのブラスになったとみる。

企業活動の弱さを家計活動の持ち直しでオフセットした形である上に、政府の政策対応の効果の分だけプラス成長になったイメージである。