7月のコア消費者物価指数(除く生鮮食品)は前年同月比-0.5%と、5ヶ月連続のマイナスとなった。

1%程度の物価上昇の中期的なトレンドは継続

今回から基準年が2010年から2015年へ改定された。上下のバイアスがオフセットされたため、今回の基準改訂で指数に大きな変化はみられなかった。2016年6月までの1年間の平均に変化はなく、6月の前年同月比は-0.5%から-0.4%への若干の上方修正となった。新しい基準では、7月は下落幅が若干拡大することになった。失業率の低下と総賃金の拡大、これまでの過度な円高の修正とインフレ期待の上昇の効果により、1%程度の物価上昇の中期的なトレンドは継続していると考える。

一方、7月のコアコア消費者物価指数(除く食料・エネルギー)は同+0.3%と、新基準の6月の同+0.5% (+0.4%から上方修正)から上昇幅が更に縮小した。昨年11月の同+0.9%からの減速が継続しており、今年の10-12月期にはコアコアも上昇が止まる可能性がある。原油価格の下落の影響だけでは物価低迷が説明できなくなっていることを示している。

2014年の実質GDP成長率が、消費税率引き上げにより潜在成長率を下回り、2015年と2016年が潜在成長率なみにとどまり、需要超過幅の拡大のペースは明らかに遅れていることが、物価低迷の大きな原因となってきているようだ。これまでの原油価格下落と円高の影響が残ることもあり、2016年の年末まではコア消費者物価は下落を続けるだろう。