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(写真=Thinkstock/Getty Images)

会社の同期が先に昇進すると、給与がどれくらい上がったのか、気になるビジネスマンも多いはずだ。職務規定の給与体系表をみても、いまいちピンとこないその水準。従業員を抱える側の企業としては、あまり知ってほしくない話だろう。

しかし、世界に目を向けてみると、この給与差は日本の水準以上で、まさに社内「格差」といっても過言ではない状況だ。

アベノミクスのベースアップも頭打ちか?

デフレ脱却を目指して、大胆な金融緩和を進めるアベノミクス。最大のポイントの1つでもある賃上げについては、2015年の春闘では、トヨタ自動車 <7203> が4000円、日産自動車 <7201> も5000円とそれぞれ基本給をベースアップ(ベア)し、政府の経済政策を後押しした。しかし、2016年になると、中国の経済減速、Brexit、円高も加わり、ベアの水準は切り下がり、トヨタは1500円アップで決着。日銀のマイナス金利の導入の影響を強く受けた金融業では、メガバンク3行が3年ぶりにベアの要求を見送ることになった。

失われた20年と言われたバブル崩壊以降、日本の給与水準は世界的にみても、その上昇の推移は緩やかなカーブしか描けていない。OECDの2013年のデータによると、日本の年間平均給与は3万7968ドル(1ドル100円換算で約380万)で、OECD加盟国の平均3万7573ドルをわずかに上回る程度であった。上位3カ国は、ノルウェー(6万7524ドル)、ルクセンブルグ(6万2669ドル)、スイス(6万0465ドル)とヨーロッパ諸国が占めており、数字を見ても日本の1.8倍近くあるのだ。

日本は管理職と一般社員の給与差が小さい?

さらに驚くべきは、管理職給与が諸外国に比べて、相対的に低いという点だ。JETROの投資関連コスト比較に基づくと、工場作業員の賃金を1.0とした場合、日本の中間管理職の給与は1.8で韓国の1.7は上回ったものの、中国(上海)の3.0、インドネシアの3.9、インドの5.2と比較すると、管理職の給与水準があまり高くないことが分かる。欧米諸国でも、アメリカの4.0が突出するほか、フランス2.5、イギリス2.4、ドイツ2.3と、かなり差が付いていることが見て取れるだろう。

英国の人材派遣会社ヘイズの2016年度給与ガイドによると、金融業界の中で、タックスディレクター/ヘッドクラスの給与が、日本では1500万から2500万円であるのに対し、中国では約1860万から2480万円、香港は更に上限が上がり約1870万から2940万円だ。シンガポールに至っては、約1900万から3800万円という高収入である。日本の管理職給与はアジア圏の中でも、それほど高くないのがわかる。

一方、新卒の給与を比較すると、経理の給与は日本では300万から500万円なのに対し、中国は約85万から155万円、シンガポールも約250万―342万円と日本の水準が高いことが分かる。入社時の給与は他国より高いものの、昇進に合わせての昇給は海外のほうが高待遇といえる。