売りになるのはモデルの影響力

企業とブランド契約を結分ことができれば、テレビCM、パッケージ、ポスターなど一般への露出は全方位に及ぶ。そしてスーパーモデル=商品ブランドのイメージが定着すれば、注目度はさらに上がり、高い広告効果が期待できる。「”美しい”スーパーモデルが使う化粧品、美容液、アクセサリー、ファッションを纏う私は“美しい”」という広告的アプローチは、効果を発揮することになるのだ。

ブランド契約ともなるとモデル料は高額になるが、大手企業にとっては大した負担ではない。実際、ランキング上位のスーパーモデルを起用する、大手企業の総売上高に占めるモデル料などごくごく些細な金額だ。

また売上増という広告効果が実証されれば、契約は長期間に及ぶ。モデルやエージェントにとって、大手企業との契約は安定収入となる。そうした好循環をつくるのは、やはりモデル自身のブランド価値だ。メディアへの露出が多いこと、つねに話題を提供し続けること、そしていつまでも多くの女性にとって憧れの存在であり続けることが、スーパーモデルの必須条件なのである。

次代のスーパーモデルは「It girl」になることが成功の鍵?

スーパーモデルも楽な稼業ではない。これまでのモデルは、名前を売るためハリウッド俳優と浮き名を流すなど、話題づくりのためにはスキャンダルさえ厭わなかった。

ランキングを見ても分かる通り、ジゼルを例外とすればスーパーモデルの収入は1000万ドルが上限である。たしかに高額だが、有名女優などに比べれば、その額は決して大きくはない。そのため、女優を志すか、大富豪と結婚するか、あるいは自分をブランド化して起業し、オリジナル商品を開発・販売するなど、他の方法を探る。その好例が、早くからフットボールのスター選手と結婚し、会社を作って自分のブランド商品を人気商品に押し上げたジゼルだろう。

彼女の後には、SNS等を利用して一般ユーザーとの親密度を高め、自分のブランド価値を高めている、ケンダル・ジェンナーやジジ・ハディットが続く。彼女たちは「It girl」と呼ばれ、メディアの注目を集めると同時に、ティーンたちがその愛らしさとセクシーさに、憧れる存在だ。とはいえ、ケンダルとジジも人気歌手などと浮き名を流すなど、従来の話題作りも並行している。

スーパーモデルのサクセス・ストーリーも時代とともに変化するが、SNSなどで本人がライフスタイルを発信し、自らのブランド化を進めるのが当たり前になりつつある。モデル業を卒業したら、新たなビジネスに挑戦する、そんな道が開けているのかもしれない。(ZUU online編集部)