日本発売モデルは海外のApple Payに対応できない
読み取り機にかざすだけで決済ができるApple Payは、これまで日本で普及していたタイプとは違うものだったため、日本で普及している「おサイフケータイ」FeliCaとしては使えなかった。
今回はFeliCaのチップを搭載されているため、遂にiPhoneをおサイフケータイとして使えるようになった。しかし日本で発売されるiPhoneは、Apple Payの規格(NFC type-A/B)と違い、FeliCaの規格はNFC-F。日本でおサイフケータイとして使えても、海外でApple Pay端末としては使えない。
FeliCaが普及している日本での現状を優先したとも言えるが、注意が必要かもしれない。日本専用モデルの存在は、Apple自身が「ガラケー」を出してきたと言えなくもなく、興味深いところではある。
安価な16GBモデルの設定がない
これまで一番容量が小さかったモデルとして16GBがあり、当然価格も安価に設定されていた。ところが今回は最低容量が32GBであり、容量は小さくても良いので少しでも安価なモデルが欲しいと考えていたユーザにとっては地味に打撃となる。iPhoneは伝統的にSDなどの外部記憶媒体に対応しておらず、Apple製品の歴史から考えても今後microSDなどを使用可能にするようになるとは思えない。
従って、容量は大きければ大きいに越したことがないのだが、iPhoneを動画閲覧(もっとも容量を必要とする)に使わず、容量は小さくても少しでも安いほうがいいと考えるユーザにとっては、価格面において魅力的な選択肢とはなりえない。この選択肢の狭さは、Android携帯と比較すると決定的な違いである。
4インチモデルの設定がない
これは製品のサイクル上仕方がないことなのかもしれないが、SEで4インチモデルを復活させた割には、今回の7では従来と同じ4.7インチの7と、5.5インチの7plusしか選択肢が無い。
Androidも同様に小さな画面(つまりコンパクト)のモデルがほとんどなく、そういった状況でコンパクトなモデルを好むユーザにとっては、SEは貴重な選択肢として存在している。
片手で気軽に使えるコンパクトなスマートフォンを求めるユーザにとっては、やはり今回の7と7plusは選択肢にはなりえない。
技術的にもデザイン的にも「過渡期にある」
以上6つの理由を総合すると、今回の7は明らかに「過渡期」にあると言っても過言ではない。Apple Payの問題や、Lightning変換製品の充実など、今後解決されていくであろう問題もあるため、少し様子を見てみるのも悪くないのではないだろうか。(ZUU online 編集部)