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遺品整理のトラブルが増加している

遺品整理には難しい面があります。特に長年一人暮らしをされて亡くなられた方の遺品を整理することは遺族の方にとっては大きな負担を伴います。大量の遺品のどれを廃棄処分すべきでどれを転売すべきなのか。また、遺品にどれほどの価値があるのかを判断することは専門家でなければ難しいこともあります。
経済産業省の調査に依れば、70歳以上の方の約50%以上が、遺品整理業者を必要としているとのことです。高齢者にとって、遺品整理は大きな負担だからです。 そこで最近は、遺品整理業者を利用する方が増えてきました。遺品整理業者もこの3年の間に急増し、2014年3月時点では全国に約5千社あると言われています。同時に、遺品整理業者とのトラブルに関する報告も増えています。特に遺品整理業者が不当に高額な料金を請求するといったケースが増加しているのです。そのため、業界では認定制度を設けるなどして、悪徳業者を撲滅する動きも出始めています。 それではどのようにして、悪質な遺品整理業者とのトラブルを避ければ良いのでしょうか


不当な買い取り

遺品整理業者との間で多いトラブルが、不正な価格での買い取りです。中古市場よりも著しく低い価格での買い取りを強要されたり、嘘の市場価格を示して買い取ったりといったトラブルが増えています。遺品整理業者側からすれば、遺品をリサイクル品として売却して得られる利益は少なくありません。従って、彼らは利幅を大きくするために、出来るだけ安く遺品を「仕入れ」ようとするのです。 ある60代の女性は、夫の遺品整理を業者に依頼したところ、購入時には50万円ほどだった腕時計がたったの1万円で強引に買い取られたと言います。このようなトラブルが増加しているのです。


悪質な請求

さらに悪質なのは、不当な請求をされることです。これにはいくつかパターンがあります。例えば、業者に遺品整理の見積もりを依頼すると、現場を見る事も無く200万円などといった見積もりが提示されます。 この見積もりを他社と比較するなどして「高い」と判断し、その業者にキャンセルを伝えると、業者は既に作業要員と車などを手配済みだ、という理由でキャンセル料10万円などを請求するというものです。
次に、見積もりで一番安い業者に依頼したところ、実際の整理が始まってから次々と追加料金を請求してくる業者があります。その結果、思わぬ高額な料金に膨れあがってしまうことがあります。 また、無料見積もりを謳っている業者に見積もりだけ依頼し、業者が現場で見積もりを終えた段階で高いと判断して断ると、「見積もりが無料なのは、発注された場合だけだ」として見積もり出張代を請求されることがあります。このような悪質業者も存在するので、無料見積もりを依頼する際は、実際の発注義務が無いことを事前に確認しなければなりません。類似の悪質な見積もりでは、出張見積もりも無料であるとして現場を訪れ、見積もりが終わると依頼者の意向を無視して、外に待機させていた仲間を集めて作業を開始する業者です。 他の業者の見積もりも確認するから今日は作業しなくて良いと断っても、「現場を見て居ない業者に依頼すると損するから」と強引に作業を進めてしまいます。いずれも見積もり時に注意せねばならない悪質な業者が増えていることを示しています。