今回は、子供の教育資金の積み立てをNISAで考えてみてはどうだろうか、というテーマです。 学費に割り当てる金融商品と言えば、学資保険が非常にポピュラーです。ということで、この記事では、まず、学資保険の性質に触れてみます。次に、そのライバルとして、一般的な終身死亡保険とこのNISAを取り上げます。
NISA(ニーサ/日本版ISA)で考える学資保険の性格
さて、子供の教育資金として、学資保険を利用される方は結構多くいらっしゃると思います。例えば、現在、小さな子供がいて、生命保険に加入している方は次のような構成で保険に加入していると思います。
(逓減)定期死亡保険、あるいは収入保障保険で、万が一の時の大きな金銭的補償に備え、その他に医療保険やがん保険に加入している。
これが極めて一般的です。さて、小さな子供がいる家庭で悩みどころなのは、将来の進学資金をどのように確保するかということです。そこで、学資保険が金融機関から提案されるかもしれません。その時には、学資保険は一家の大黒柱が死亡した時のための支払い免除が付与されているはずです。つまり、学資保険は死亡保険です。それも貯蓄型の死亡保険ということになります。
ですから、学資保険について考えるときには「貯蓄」と「保障」の二つの側面から考えることになります。とくに「貯蓄」の面はNISAにも関わってきます。
NISA(ニーサ/日本版ISA)で始めるオルタナティブ学資保険
ここで、学資保険の機能を考えると、二つの代替的な選択肢を挙げることができます。一つは、死亡保障という側面に着目して、一般的な終身保険。もう一つは、貯蓄の側面に着目して、証券投資を利用した貯蓄。この記事では、後者は当然、NISA(ニーサ/日本版ISA)を利用することにします。
さて、まず死亡保障という側面だけに着目するならば、学資保険は保証期間内に支払った金額分しか返ってきません。仮に死亡したとしても、たとえば、全体で500万円支払う予定だったなら、死亡後500万円の内未払い分が免除されるだけです。それに比べると、終身保険で、子供の学費が必要になる期間、500万円の死亡保障をつけるのに、500万円が必要になるということはありません。保障としての性格なら、断然、終身保険のほうが上です。
しかし、貯蓄、という側面では、支払った金額に若干の利子をつけて戻ってくる学資保険に比べて、終身保険は「元本割れ」を起こすことになります(一時払いは除く)。
ではNISAを使って、インデックスファンドで積み立てたらと考えると、こちらは市場次第ですが、おそらく金融資産を作るという側面では学資保険を上回るはずです。