5月31日付の日本経済新聞によれば「日本企業の資本効率が改善している」とのことです。東証1部上場企業の2013年度のROE(自己資本利益率)は8.6%となり、前年度より3ポイント超の上昇となりました。ROEは当期純利益を株主資本で割ることで計算することができます。同水準の当期純利益を毎年確保している場合、株主資本も増えることになりますが、分子である当期純利益は変わらず、分母である株主資本が膨らむため、ROEは低下することになります。今後、各社はROEの向上のため、資本の有効活用も意識する局面に来ていると言えます。
第二次安倍政権発足後、企業の業績回復も鮮明です。円安も追い風となり、利益が拡大する企業も増えています。そのような中、企業は新たな問題にも直面しています。それが資本の有効活用つまりROEの向上です。今、大手商社の一角やNTTなど、ROEを高めるために株主配分を積極的に行おうとしている動きも見られます。今回、高ROEの企業をピックアップしてみました。株主となれば、手厚い配分が受けられるかもしれません。今回の前提条件として高収益、PBRからみた割安感、流動性などを意識し、PER10倍以下、PBR1倍以下、ROE9%以上、時価総額500億円以上、自己資本比率25%以上、配当利回り1%以上としています(平成26年6月6日終値/SBI証券調べ)。
伊藤忠商事<
8001
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ROE13.97%
大手商社の一角を担う独立系の総合商社です。傘下にはファミリーマートやオリコ、プリマハムなど名立たる企業が連なります。また、米ドールを買収したことも記憶に新しいです。衣料や中国ビジネスに強いという点が特徴です。
日本合成化学工業<
4201
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ROE13.29%
三菱ケミカル系の化学企業です。接着、紙、乳化、懸濁、繊維、フィルムなどの工業原料、加工剤であるPVOHやエチレン-ビニルアルコール共重合樹脂であるEVOHを世界展開しています。
ショーワ<
7274
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ROE11.64%
ホンダ系のショックアブソーバー(SA)、パワーステアリングメーカーです。ホンダ向けの売り上げが全体の8割を占めており、ホンダの業績の影響を大きく受ける可能性があります。
昭和産業<
2004
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ROE11.00%
小麦粉、植物油、糖化製品、二次加工食品などの製造販売を行っている食品メーカーです。キャノーラ油やフレンドというブランドでの小麦粉を取り扱っています。株主には伊藤忠商事、三井物産、双日などといった商社も名を連ねています。
三菱マテリアル<
5711
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ROE10.95%
非鉄金属・セメントなどの基礎素材、金属加工・アルミ缶製造、半導体関連・電子製品、エネルギー・環境ビジネスを行っている企業です。株主には三菱東京UFJ銀行、三菱重工業など、三菱グループの名前が見られます。
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Itochu Co.
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