◉日本株をシンガポールから見て感じること
日本円をベースに日本のマーケットだけを見ている投資家の方々には耳が痛い話かもしれませんが、世界的に今年あまりリターンを稼げていないのは、いわゆるロングショート系、モメンタム系のヘッジファンドか、日本株のブルーチップ(安定株)銘柄をセクターに関係なくロングしていた投資家ぐらいかもしれません。
11月の解散発言以来、日本株は世界平均でもアウトパフォームしています。それくらい日本株への投資から収益を上げるのは難しいということです。
この数年、日本株を専門とする業界人口は減り続けました。政治も経済も財政も為替も自然も全てが日本株に逆風でした。そして、この淘汰が最近一段と加速しているように感じます(日本株部隊の縮小・撤退などのリストラが更に活発化)。
以前にも触れましたが、慢性的に経済がスローダウン(減速)している市場において、あまり頭を使わずにブルーチップ銘柄をロングしているだけでリターンは稼げるはずはないのは当然でしょう。正直に言ってしまうと、ロングショートで稼ぐヘッジファンドや割安に放置されている超小型株を丹念に探し出すといった方法くらいしか、グローバルな比較において日本株を推奨できる自信が個人的にはありません。
これを読んでいらっしゃる方が、私のマーケットビューを聞いて、「正にこういった徴候こそ逆張りに値するタイミングだ」と思われるかもしれませんが、突発的な円安に伴う20-30%のラリーくらいしかこのマーケットの短期的なアップサイドは思い描けません。皆様はどうお考えでしょうか?
(※あくまでも個人的な見解であり、所属する組織の見解とは一切関係ございません。また、投資判断はご自身の責任においてお願い致します。)
◉投資銀行系PBだからこそ可能な顧客との人間関係構築
この様にパフォーマンスを上昇させることを心がけるということは、顧客との関係性を語る上での一番根本的な要素です。そしてこれを、単年ではなく良い時も悪い時もというサイクルを重ねれば重ねるほど関係は強固なものになっていきます。
最近常々感じているのは、お金を貸しているだけの商業銀行系のプライベートバンカーとは違い、顧客と日々投資アイデアをぶつけながら築かれていく関係は、そこに至るまでが難しいものの、一度そのレベルに達することができると、かなり親密なものになっていくなということです。
例えば、最低一日に一回はマーケットに関する会話をし、月に2回くらいは投資状況や戦略を打合せし、その後、一緒に会食などへ出かけます。そうしていくうちに、時には一緒に旅行をするといった関係性になっていくのです。
その結果起こりうることは、こちらからお願いせずとも、彼らの方から勝手にお預かり資産を増して頂けたり、また何よりも嬉しいのが、大事なお友達(当然に超富裕層)を常に紹介いただけるといったことです。富裕層は富裕層同士で繋がっており、そのネットワーク内の評判の大切さを、近頃はより一層感じるようになりました。