台風,被害,火災保険,補償
(写真=PIXTA)

毎年日本列島を襲う台風。火災保険で補償される台風被害とはどのようなものなのかを確認しておきたい。

台風被害も補償される火災保険

火災保険と聞けば「火事にだけ適用される保険」と思いがちだが、契約によって自然災害や事故による住宅の損害の多くを補償することができる。火災保険で建物や家財が補償されるので、この事を知らないで壊れた屋根や雨どいを自費で修理するのはもったいない。

台風被害に適用される補償は主に3つある。「風災補償」「水災補償」「落雷補償」だ。「風災補償」は強風、突風、竜巻などを想像しがちだが春一番や木枯らしなども含まれ、損害は風力そのものや風による飛来物の被害ではあるが経年劣化での雨漏とかは補償の対象外となる。

次に「水災補償」。台風は風ばかりでなく、気圧の変化による豪雨も引き起こすので、豪雨の場合は風災ではなく水災(水害)として補償される。内容としては土砂災害や落石による被害も補償されるが、契約が付帯契約の場合もあるので確認したほうが良い。

最後の「落雷補償」。落雷は建物ばかりか渦電流などで家電製品に壊す可能性がある。このような落雷による被害の場合は「落雷補償」の対象だ。被害例としては、落雷により屋根や外壁アンテナの破損。あるいは渦電流での家電製品やパソコンなどが破損の場合は補償される。

多くの火災保険は補償の対象を「建物」に限定している。そのため災害による家財の汚損、盗難による現金被害などには対応していないので、そのような場合を想定して別途「家財保険」に加入する必要があるので注意したいところだ。

あまり聞きなれない罹災証明書とは何か

罹災証明書(り災証明書)は、台風や地震や津波などの災害にあった時に市区町村が被害を証明してくれる書類のことです。これは「災害対策基本法第90条の2」に定められていて、火災被害の場合は消防署が発行することになる。

どのような支援を受けられるのかと言うと「税金の免除」「被災者生活再建支援金・義援金の支給」「住宅応急修理制度の利用」「仮設住宅・公営住宅への優先入居」「災害援護資金による無利息または年利3%程度での融資」・などが得られる。

この他に民間からの支援としては「民間金融機関からの低金利・無利息等での融資」「私立学校等の授業料減免」「災害保険の保険金受給」といったものがある。これら公的・民間に関わらず必要に応じてご自身で申請し受理されてから支援制度を受けるということになるのだ。

台風による保険金支払見込額

国土交通省水管理・国土保全局が発表した2014年の水害被害額は一般資産等被害額は1317億円、被災建物棟数は約29000棟となっている。

15年9月4日時点の集計になるが、台風15号にかかる支払保険金(見込含む)を見ると、日本損害保険協会調べによれば(会員会社24社、外国損害保険協会会員会社12社)火災保険の部での支払い金額は660億7708万6000円となっている。

この他にも車両保険では34億4489万4000円、新種保険(傷害保険含む)では6862万2000円)が保険金として支払われていることになるので、昨年(2015年)の台風15号による保険金支払合計見込額は、約702億円ということになる。

なお災害救助法が適用された地域でご契約者が被害を受けられた場合には、各損害保険会社は、火災保険、自動車保険、傷害保険などの各種損害保険(自賠責保険を除く)について、継続契約の手続きや保険料のお支払いを猶予する扱いができる場合があるので問い合わせして見たほうが良い。

火災保険における水災の保険金の支払い要件

保険金の支払いを受けるには、一般的には建物または家財それぞれの時価の30%以上の損害が発生していることが条件だ。あるいは、床上浸水または地盤面から45センチを超える浸水による損害--なども条件である。

このような違いによって、火災保険金の支払いは異なるので、床上浸水になったからと言って支払われるとは限らない。あくまで基準を満たすかどうかだ。多くの火災保険では風災の場合の補償は、損害額が20万円以上となっている。

火災保険はいろいろなタイプが各社から出ており、時価の30%という基準をもう少し細かく分類している場合もある。各社基準はバラバラだが、一つの目安として20万円以上・床上45センチ以上・時価の30%以上と覚えておくといいだろう。

特に水災の危険の高い地域に住んでいるなら、火災保険での損害保険金がどのような基準で支払われるのか、代理店に聞いておいたほうがいい。事前に加入している火災保険の約款で確認し、問い合わせると理解しやすいはずだ。(ZUU online 編集部)

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