Twitter

2014年6月5日、ツイッター(Twitter)はアプリ開発者向けのネイティブ広告プラットフォームを提供するネモ・メディア(Namo Media)を買収したと発表しました。買収金額は1億ドル未満だったと報じられています。ツイッターは2013年にもモバイル広告ネットワークのモーパブ(MoPub)を3億5000万ドルで買収しています。ツイッターは、ユーザー数が伸び悩み、2四半期連続で投資家を落胆させました。ネイティブ広告企業買収により、アプリ開発者とパブリッシャーが有効な広告を簡単に作成できるようになり、ツイッターの収益増大が期待されます。

ツイッターは、2四半期連続で投資家を落胆させました。2013年第4四半期決算では、同社の収益のカギを握るタイムライン閲覧数(ページビューに相当)が、前四半期と比べて6.9%のマイナスと、同社の成長性の期待を疑わせる内容となり、一日で株価が25%も下落しました。利用者は900万増の2億4100万人でしたが、タイムラインの減少から広告収入の伸びの鈍化が示唆され、市場関係者はショックを受けたのです。2014年第1四半期決算では、2014年の売上のガイダンスが12~12.5億ドルで、コンセンサス予想の12.4億ドルを下回りました。この日も、株価が11%も下がりました。ツイッターの株価は、昨年秋のIPO後に上昇した後下落し、底値40ドルを付けました。その後、年末にかけて70ドルまで株価は急騰しましたが、2四半期連続のコンセンサスを下回る決算のため30ドルまで下がりました。6月13日現在、35ドルを超え、少し値を戻しつつあります。

オンライン広告では、バナー広告などのクリック率の減少が下げ止まらない状況にあると言われています。バナー広告に替わり、現在注目されているオンライン広告がネイティブ広告です。ネイティブ広告は、投稿などのコンテンツと変わらないようなメディアやサービスに自然になじむデザインや機能で表示される広告のことです。フェイスブックの投稿の間に表示される「インストリーム広告」と言えば、馴染みのある方も多いかと思われます。ネイティブ広告が現在拡大しており、様々な成功例が出ています。

ツイッターは、モーパブとネモ・メディアの買収により、アプリ開発者向けのネイティブ広告プラットフォームを構築し、ネイティブ広告による収益増大を狙っています。ツイッターの利用者数の急激な伸びは今後期待できませんので、ネイティブ広告がツイッターのEPS(1株利益)の増大のカギを握ることになります。

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