米国大統領,トランプ氏,投資家
(写真=Thinkstock/Getty Images)

2016年11月8日、米国において大統領選挙がおこなわれ、事前予想を覆してドナルド・トランプ氏の当選が確定した。

これを受けて、国内各金融市場は暴落、日経平均株価は前日比920円安、米ドル/円は約1か月ぶりの101円台前半まで下落した。6月23日に行われた、英国のEU離脱を問う国民投票に続いて2度目の大混乱となったが、この大混乱、大暴落の中で、資金の壊滅的なダメージを避けるために、投資家が押さえておきたいポイントを解説する。

1. 予想には意味がない

市場の多くの投資家は、予想をもとに投資を行う傾向がある。今回の大統領選挙では、両候補のどちらが勝つのか? その後、市場がどのように動くのか? 様々な予想が飛び交った。

実際、11月7日には日米両株式市場が堅調な上昇を見せ、この時点では、大統領選挙の不透明感が消え始めたようなムードが漂っていた。このことは、日本時間11月9日の前場の取引も同様で、株式市場の多くの個別銘柄は上昇を見せていた。つまり、市場は不確実性が徐々に後退していると判断し、買いに入っていたのだ。

しかし速報が伝わるにつれて状況は一変、最終的に大引けでは大暴落となっていた。これを見れば、市場の投資家は、常に判断を誤る傾向にあることが分かる。11月9日の株式市場の動きを見るだけでも、予想をもとに売買を行い、利益を上げることが難しいことは明白だ。株式投資において、何らかの材料やイベントの結果を予想し、その予想をもとに売買してはいけない。過去の市場を観察すれば、予想をもとに売買した投資家の失敗は、様々な形で確認できる。

2. 常に資金管理を怠らない

「投資においては、資金管理が最も大切だ」というのは、成功した投資家やトレーダーの多くが口にする言葉だ。しかし、実際の投資の現場では、資金管理が適切に行われていない。なぜなら、この概念や手法、技術は個人投資家に浸透していないからだ。

資金管理とは、簡単に言えば、「市場に資金を投じている間に、どんな事態に遭遇しても、投資資金と投資家の心の安全が保たれるように、投入資金を管理すること」と言い換えることができる。これは概念としての資金管理であり、実践的な技術はさらに具体的かつ詳細なものになる。

資金管理を行っている投資家は、不測の事態に備えているので、今回のトランプ氏大統領当選という事態に遭遇しても、投資資金や心が壊滅的なダメージを被ることはない。しかし、残念ながら失敗してしまう個人投資家の多くは、資金管理を厳密に行っていないため、不測の事態に遭遇すると、投資資金と心がかき乱され、それが一層市場の変動を大きく助長する。投資家は、市場に資金を投じている間は、常に資金管理を怠ってはいけない。