自動車保険料は、車種や等級など契約状況によって大きく変動する。今回はその中でも特に、年代に焦点を絞って保険料について解説する。相場を見ることで保険料と年代の相関を知り、ぜひ相応しい保険選びに役立てていただきたい。
年代別の自動車保険相場
まず、年代について比較するにあたり、年齢以外の条件は以下の通りにそろえる。
等級:6等級
年間走行距離:3000km
免許の種類:ブルー
運転者限定:本人限定
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限
車両保険:なし
それぞれこのような条件にした理由は、主に年齢により差がつきにくいようにするためだ。例えば、等級は年々上昇するため、年代が上がるにつれて高くなる。相応に保険料は安くなるものの、これを懸念材料に入れてしまっては純粋に年代による比較がしづらい。
免許の種類も同様。運転者限定についても、やはり年代によって平均的な家庭状況は変わってしまう。ちなみに6等級を選んだのは、自動車保険に新規加入した際の等級が通常6等級であるからだ。
さて、この条件で試算した年代別の相場がこちら。
20歳以下:11万4500円(月々9700円)
21歳以上:5万7500円(月々4900円)
26歳以上:3万4700円(月々3000円)
30歳以上:3万3200円(月々2900円)
主な年代の区分はこの4つだが、保険会社によっては35歳以上などさらに細かく区切られているケースもある。実際はこれに、等級による割引が足されさらに差が開く場合もあれば、運転者限定を配偶者や家族にまで広げることにより思ったほど安くならないこともあるだろう。
いずれにせよ、自動車保険料は年代が上がるにつれて安くなるということが一見して分かる。この傾向について知った上で、保険料選びにいかに生かすのか、続けて解説していこう。
自動車保険はどう選べば良いのか
現在何歳なのかによって、自動車保険の選び方、見るべきポイントはまったく違ってくる。
20代の場合
まず20歳前後で自動車保険に加入する場合、ほとんどの場合が新規加入だろう。等級は6等級からのスタートとなり、年代区分による保険料と合わさりどうしても保険料はかさんでしまう。これを抑える方法としては、購入車両を検討する、車両保険の有無、等級引き継ぎなどの対策が考えられる。
各自動車には、普通車や軽自動車などといった分類とは別に、事故の可能性に応じて型式別料率が定められている。これが低く設定されている車両を選ぶだけでも保険料はかなり抑えられる。また購入する車両が中古などあまり高価なものでない場合、車両保険そのものを付加しないという選択もある。車両保険は活躍の機会が多く補償が手厚い分、相応に保険料を圧迫することとなってしまう。
そして利用できるならばぜひ活用したいのが、等級の引継ぎだ。同居する親族が契約している自動車保険の等級を引き継ぐことで、新規加入でも同等の割引を受けることができるのである。
30代の場合
次に30歳前後で自動車保険に加入する場合、前述したポイントについて検討するのを前提としてさらに、年代区分の有無が大きな判断基準となり得る。先に少し触れたが、保険会社によって、35歳以上という区分を設けているものと設けていないものがある。保険料という観点だけ見れば、35歳以上ならば当然35歳以上の区分のある保険に加入した方がメリットは大きい。
ただし、30代は家庭を持つ人も増えるだろう。配偶者や子供など、運転者だけでなく同乗する人間をケアする補償を選ぶ必要が生まれ始める。闇雲に低価格なものを選ぶのではなく、保険料と補償額とを見極められるようにしたいところだ。
40代・50代の場合
40代や50代になると、今度は自分の子が等級引き継ぎなどの利用を検討する頃だ。等級を引き継ぐと、それまで契約していた保険は解消され、新たに自動車保険に加入しなければいけない。更に、自身の等級はまた6等級からのスタートとなってしまうが、年齢区分による割引は適用されるため20代のそれに比べると当然割安で済むことになる。
だが、もしも高級車両などを所持していた場合、一般的な範囲内で保険料を比較することは難しい。引継ぎによってどれだけ保険料が得になるのか、新規加入によってどれだけ負担が増えるのか、具体的に比較検討したいところだ。
安い保険料のものには要注意!
安い保険を求めることは当然だが、その加入条件に対して安すぎる保険を選ぶ際は注意してほしい。保険金支払いなどといった対応の良し悪しという意味だけでなく、保険料が安すぎる保険契約は必要な補償が含まれていない可能性がある。
保険見直しはまず一括見積りから
保険料を比較検討するにせよ、補償内容について確認するにせよ、もっとも簡単な方法はまずインターネットなどで一括見積りすることだ。最短で一両日中、場合によっては結果を受け取るまでに数日かかるかもしれないが、やはり網羅的に保険料を比較することができるというのはありがたい。
自分がどういった保険に入りたいか決まっていないという方も、ひとまず見積りを依頼することでイメージが固まるかもしれない。