(写真=PIXTA)
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住宅に入居、もしくは購入した際に勧められる保険に「家財保険」と「地震保険」がある。これらは損害保険の一種であり、火災や地震といった損害を補償するための保険という位置付けだ。ここでは、家財保険と地震保険の違いを紹介する。


家財保険とは

家財保険とは通称であり、損害保険上では「火災保険」に分類される。我々が住宅に住み生活するうえで必要な補償は、建物と家財である。建物は賃貸等、自己所有の物件であれば必要ないが、家財は生活する以上必ず所有しているものである。

家財の定義は広く、家電、家具をはじめ洋服や下着1枚に至るまで家財に分類される。火災や洪水などといった事故が発生し、家財が損害を受けた場合、同等のものを再取得するために必要な額を保険で補償すべきである。

補償内容とメリット

家財保険の補償内容は火災保険と同等である。火災保険という名称であるが、火災のみならず住宅にまつわる様々なリスクを補償可能だ。補償できる内容は以下の通りである。

火災により住宅が全焼し、家財も大きな損害を受けたり、落雷により家電製品がショートし損害を受けたりするような火災や落雷・破裂・爆発によるもの、台風で物が飛来し窓ガラスが破損、室内の家電も雨が漏入し破損するといった風災や雹災、雪災によるもの、マンション上階から水濡れが発生し、家電製品やカーペットが濡れて使い物にならなくなるといった漏水などによる水濡れがある。

その他に、空き巣が侵入し現金や家電等を盗まれたといった盗難、トラックが道路から住宅に突っ込んで家財も衝撃で破損したというような建物外部からの物体落下・飛来・衝突するケースもある。

さらに、大雨による土砂崩れで家の中に土砂が侵入、衣類が使い物にならなくなった、大雨による洪水で家が浸水し、家電が濡れて破損したといった水災によるものや、子どもが誤ってテレビを倒し壊れてしまったり、模様替えでタンスを運んでいる際にバランスを崩しタンスを倒し、破損させたといった不足かつ突発的な事故によるものがある。

保険会社によってはこれらの補償を付け外しすることにより、保険料を圧縮することが可能だ。日本は台風や大雨が多いため、風災、水災の保険料は高めに設定されている点も特徴である。

地震保険との兼ね合い

先ほど紹介した通り、火災保険では地震による損害を補償することは不可能だ。そのため地震・噴火・津波等の損害は国が運営する地震保険に加入する必要がある。ただし地震保険は単独では加入ができず、必ず火災保険とセットで加入する必要がある。

地震保険の保険金額は火災保険の保険金額の50%までと決まっており、家財全額を補償することはできない。例えば住宅内に500万円分の家財があったとしても、地震による損害は250万円までの補償となる。

地震による損害は広範囲に及ぶため、復旧というよりは当面の生活を補償する意味合いが強いものとなっている。火災保険の保険料や補償は会社によって違うが、地震保険の保険料および補償内容は各社共通である。

そのため地震保険はどの保険会社で加入しても全く同じである。

火災保険の選び方のコツ

地震保険は各社共通のため、重要なのは火災保険の選び方である。以下の点に留意すべきだ。

まず、不要な補償を外すことが可能であるといういこと。河川が近くにない、高台にある、マンションの3階以上部分といった物件であれば、水災による損害は考えにくい。そういった場合は水災補償を省くことで保険料の節約が可能だ。保険会社によって水災だけを外せる会社もあるため、基準の一つとして持っておくべきである。

次に、長期契約で割引が適用されるという点。現在火災保険は最長10年、地震保険は最長5年まで契約が可能である。いずれも長期契約にするほど割引が適用され、毎年更新するよりも割安になる。その間に発生した保険料改定の影響を受けないため、資金に余力があれば長期契約を検討するべきである。

そして、保険料水準は会社によって違うということ。全く同じ補償内容でも、保険会社によって保険料はまちまちである。木造物件が安い会社もあれば、 マンションが安い会社もある。そのため保険加入する際には複数社の見積もり提示を依頼するのが有効である。相見積もりを取ったうえで比較すれば、 最も安い保険が探しやすくなる。

火災保険を選ぶ際の注意点

火災保険選びの注意点は以下の3つである。 まず、建築年が古い建物は割高になるという点。古い建物は耐震や耐火技術が劣っており、事故が発生しやすい。そのため保険料が割高に設定されるケースが 多くみられる。防犯上の観点からも建築年は確認すべきであろう。

次に、物件の明記が必要という点。家財のうち宝石や骨とう品など、価格算定が難しいものに関しては事前に保険契約上明記する必要がある。明記とは宝石のカラット数や素材、骨とう品の品目名を個別に申告し、価格を別途設定することである。明記しなければ全額補償されないことがあるため、注意が必要である。

そして、改定による保険料変動。火災保険、地震保険ともに保険会社が改定を行うことで保険料が上がる可能性がある。いずれも更新時期から値上がりするが、昨年度も台風の多い九州地方は大きな値上がりを見せた。改定の影響を受ける前に長期で契約するのも一つの手段である。