デフレ銘柄,牛丼,回転寿司,
(写真=PIXTA)

日本銀行は、11月1日発表の「経済・物価情勢の展望」レポートで、物価上昇目標「2%」の達成時期を従来の「2017年度中」から、「18年度ごろ」へと先延ばしにした。目標達成時期の先延ばしは、13年4月に導入した異次元金融緩和以降5度目となる。

日銀が先延ばしするしないに関係なく、すでに株式市場ではデフレ関連株が活況だ。デフレ企業の業績と株価について振り返ってみよう。

デフレ企業の株価が東京市場の上げを先導

デフレ関連株とは、デフレ時やデフレを意識した時に株式市場で買われる銘柄群だ。具体的には、低価格を武器に業績が伸ばせる外食や小売などの銘柄が該当する。

代表的な銘柄は、小売りでは、100円ショップのセリア <2782> 、キャンドゥ <2698> 、ドンキホーテホールディングス <7532> 、しまむら <8227> 、ニトリ <9843> など。外食では、牛丼の吉野家 <9861> 、松屋フーズ <9887> 、ゼンショーHD <7550> 、丸亀製麺のトリドール <3397> 、サイゼリヤ <7581> 、マクドナルド <2702> などが挙げられる。

アベノミクスが始まる前のデフレ色が強かった時期に安さが売りの商品が好調で業績を伸ばした企業群だ。

デフレ関連企業の株価の一角が9月初から戻り歩調を強めている。例えば吉野家は10月27日に年初来高値を更新。8月31日の1394円の安値から10月27日の1590円まで14%上げた。100円ショップのキャンドゥも同じトレンドだ。10月25日の年初来高値の1860円まで、8月31日の安値1556円から20%上げた。

牛丼では、「すき家」のゼンショーと「松屋」の松屋フーズ がともに11月9日、年初来高値更新した。ゼンショーは8月末の安値から17%の上昇。松屋は8月22日安値から28%の上昇だ。

年初来高値まで行かなくてもデフレ関連銘柄には上昇している銘柄が目立つ、100均のセリアは9月1日安値から10月26日高値まで29%の上昇。同じくワッツ <2735> も8月31日安値から11月2日高値まで19%上げた。

外食ではサイゼリヤが8月19日安値から10月26日高値まで39%上げている。小売りではしまむらが8月24日安値から10月26日高値まで20%の上昇。ドンキホーテHDが8月31日安値から11月7日高値まで26%、ニトリが8月31日安値から10月27日高値まで24%上げている。

回転寿司で有名なくらコーポレーション <2695> も9月16日安値から10月31日高値まで17%上げている。デフレ関連株はほぼ同じようなトレンドだ。

日経平均は、11月1日に直近の戻り高値17473円をつけたが、8月31日の引け値からは3%上げた程度。デフレ銘柄は明らかに、東京市場をアウトパフォームし、市場の上げを先導した。株価上昇のトリガーはなんだったのだろう。