デフレ企業の業績回復傾向が強まる

すべての企業が好調というわけではないが、デフレ企業群の業績モメンタム(相場の勢いを示す際の表現)が上向いてきていることは明らかだ。業績のモメンタムの上昇と連動して株価も上昇している可能性が強い。

ニトリが9月27日に発表した17年2月期第2四半期累計(3-8月)の営業利益は491.7億円の34%増益。従来予想の395.0億円から上振れた。通期予想は変えていないが進捗率が高いためさらに上乗せになる可能性がある。

サイゼリヤが10月12日に発表した16年8月期の営業利益は84.0億円予想から90.0億円の7%増に上方修正された。6?8月の営業利益率は前年同期の6.6%から8.2%の上昇している。17年8月期についても3%増益予想と地味な予想ではあるが、常に保守的な数字を出す会社なためアップサイドもありそうだ。

10月14日、キャンドゥが決算発表。16年11月期第3四半期(15/12-16/8月)の営業利益は前年同期比69%増の17.9億円と好決算だった。同時に通期の営業利益予想を19.0億円→24.9億円に31%上方修正した。

11月4日、ドンキホーテが発表した17年6月期第1四半期(7-9月)では、営業利益は前年同期比11%増の125.3億円に伸びた。通期予想は据え置いたが進捗率が高く通期の業績も上振れの可能性がある。

11月8日、ゼンショーが17年3月期第2四半期累計(4-9月)の決算発表。営業利益は106.5億円と事前予想の95.5億円を上回った。やはり、通期予想は据え置いたが進捗率が高く通期の業績も上振れの可能性がある。

マクドナルドは11月9日に16年12月期第3四半期累計(1-9月)の決算を発表。実績営業利益は前年同期の赤字208.0億円から黒字転換し38.1億円となり、通期の営業利益予想も33.0億円から50億円に上方修正した。

足元の業績トレンドを占う月次の既存店売上は?

10月の既存店売上はマクドナルド、吉野家などが好調

デフレ関連銘柄ですでに10月の既存店売上を発表済みの企業を見てみよう。マクドナルドの10月の既存店売上は23.4%と大幅増。ただマクドナルドの場合は、昨年事件が相次いだため前年のベースが低いので特別な高い伸びになっている。マクドナルドが再び売上を伸ばし始めたことはデフレの象徴かもしれない。

吉野家の10月の既存店売上は15.1%増。3?8月の0.7%減から、9月には2.8%減となったものの10月には大きく盛り返した。松屋の10月も5.8%増と好調だ。4?9月の6.5%増のペースを維持している。

サイゼリヤの10月は5.8%増、セリアは2.0%増、くらコーポレーションは1.5%増、かっぱ寿司のカッパクリエイト4.4%増、丸亀製麺のトリドール3.1%増などが好調だ。

一方で、ニトリの10月は3.0%減、すき家の10月は4.7%減、幸楽苑7.4%減、ハイデイ日高1.4%減などマイナスの企業もあるが小売り企業の中には猛暑と台風で不振だった会社が多い中で総じて好調だといえそうだ。

デフレ関連株の好調は、アベノミクスで一時伸びた消費だが、消費者の節約志向が再び強くなってきたことを象徴している。日銀がインフレターゲットの達成時期を先送りするより消費者と株式市場の反応は先行している。(ZUU online 編集部)

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