新たな収益源の発掘まで厳しい道は続く
サンリオが11月1日に発表した中間決算は、売上高が前年同期比11.3%減、営業利益は45.8%減と依然として大幅な減益傾向が続く厳しい内容だった(図表1参照)。
10日に実施されたアナリスト向け決算説明会に参加したので、その内容を含めて業績動向や今後の展望を簡単にご紹介する。以下の図表2を見れば一目瞭然、サンリオの業績は依然として厳しくなかなか持ち直しの傾向が出ていない。7-9月の3ヶ月間の営業利益は18.5億円と前年同期の37億円からほぼ半減である。
業績低迷の大きな原因の1つが、稼ぎ頭であったロイヤリティビジネスの不振だ。もちろん、そもそもビッグヒットとなるキャラクターがなかなか出てこず、海外を含めて競合にシェアを取られてしまったという側面が大きいだろう。それに加えて会社の方針も影響しているようだ。
近年同社は「ハローキティ」等の人気キャラクターを他の会社の商品とコラボレーションさせ、キャラクターの利用マージンを受け取るというビジネスで業績を拡大させてきた。
ただ、今回の決算説明会で辻信太郎社長より、「高いマージンを受け取るこのビジネスは根本的に同社の経営理念に反するところがあり、やめるわけではないが縮小させていく方針が社内で固まってきた」という主旨の発言があった。同社長は常々「みんなが幸せになれる経営」を掲げており、高いマージンを受け取るビジネスは彼の主義主張に相反するということなのかもしれない。
全体に不調である同社のビジネスの中で、サンリオ・ピューロランドの集客が非常に好調で10月の入場者数が過去最高になったとのアナウンスがあった。ブランドの発信拠点である同ランドの好調は好ましいが、同社の収益全般に占める直接的な割合は非常に低く影響は大きくない。