新たな成長ドライブとして探るカフェビジネスと株価動向
説明会で、今後はカフェビジネスに注力していくとの示唆があった。例えば「ハローキティカフェ」のようなキャラクターカフェを展開していくというものだ。その他にもシニア向けのカフェなども検討されている。既に中国などのアジアを中心に数十店舗展開されており、一定の成功事例もあるようだ。
ただ、説明会で定量的な開示がなかったため詳細は不明だが現時点ではビジネスへの寄与は限定的だろう。そして同社では将来的にカフェを1,200店舗展開したいとの意向が明らかにされたが、現時点ではあまり現実感のある数字ではないと筆者には思える。
ご紹介してきたような冴えない業績動向を反映し、株価は過去2年間下落基調を続けている。2015年8月の高値からは足元で株価は半値以下になっている。ただ、この夏場以降1,800円どころでは案外底堅さも見せている。これは、株主優待・配当利回り目当ての個人投資家の買いが入っていることが主因とみられる。
図表3はサンリオが発表している株主別所有割合の推移である。足元で黄緑色の「外国人」の所有割合が大きく減り、かわりに紫色の「個人」の所有割合が大きく高まっていることがわかる。
同社の株主優待は自社キャラクターグッズ、および所有株数に応じた枚数がもられるサンリオ・ピューロランド・ハーモニーランドの優待券である。また、今期の予想1株配当は80円、11日の終値1,878円から計算すると配当利回りは約4.3%と魅力的な利回り水準だ。
同社はこれまで80円の配当を一貫して支払ってきており、好財務体質で減配リスクも少ないと考えられているのかもしれない。
新たな成長ドライブを見つけるまでは株価の大幅な上昇は期待しづらいだろう。ただ、今後も現在の価格帯では配当・優待目当ての個人投資家の買いは期待でき、一定の底堅さは期待できよう。
益嶋 裕
マネックス証券
フィナンシャル・インテリジェンス部
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