中国PM2.5

今回はボイラー業界国内シェア1位の三浦工業について分析していきたいと思います。何故、三浦工業を紹介するかというと、昨年から問題視されている中国のPM2.5(微小粒子状物質)問題で恩恵を受ける銘柄として期待が大きいからです。ではまず、中国のPM2.5問題の概要について説明していきたいと思います。


中国のPM2.5問題とは?

PM2.5とは粒子状物質(りゅうしじょうぶっしつ、Particulate Matter, PM, Particulates)のことです。一般的にはマイクロメートル (μm) の大きさの固体や液体の微粒子のことを言います。主に燃焼による煤塵、黄砂のような飛散土壌、海塩粒子、工場や建設現場で生じる粉塵等などからなり、これらを大気汚染物質として扱うときに用いる用語のことです。 PM2.5 は粒子状物質の中でもとりわけ微小で身体への悪影響が問題視されています。

中国でここまで大気汚染物質が拡散してしまっている要因は様々考えられますが、大きな要因として①自動車の増加②石炭依存の経済構造が挙げられます。 ①に関しては、中国では2002年から2012年で約10倍に自動車が増加し、自動車による排ガスの増加が影響しているとするものです。 次に②に関してですが、中国は飛躍的な経済成長を遂げているものの、燃料は未だに石炭がメインになっています。 これは石油、天然ガスは自国では賄いきれず、輸入依存度が高まってきているため、中国経済の優位性である低コストを殺さないために、燃料は出来るだけ安い石炭を使いたいという要因によるものです。 石炭は火力発電の燃料や製鉄所の高炉などで使うコークスの原料になります。さらに内陸では工場や住宅の燃料としても使われています。

中国は自国の低コストをウリに海外企業へ積極的に招致し、飛躍的な経済成長を遂げてきました。その成長性の高さの裏に、今回のような深刻な大気汚染などの犠牲が出てきていることが最近に広く認知されるようになりました。


三浦工業の概要

三浦工業は、産業用小型貫流式蒸気ボイラーで国内シェアトップで、食品加工機器においても高いシェアを持ち、水処理や環境事業育成にも注力しているボイラー専業メーカーです。 同社は1927年、精麦・精米機の製造・販売を目的とする三浦製作所として創業。その後1959年に改組し(社長三浦保)、翌年には同社の主力となる小型貫流ボイラーの製造を開始、日本のみならず世界中でシェアを有する企業に成長しています。 その後も水処理機器や蒸気滅菌機器、食品加工機器などの分野に進出、それぞれの分野で高いシェアを有していします 。

そもそもボイラーとは何かというと、燃料を燃焼させて得た熱を水に伝え、水蒸気や温水に変える熱源機器のことです。産業機械で幅広く使用され、使用される機械に応じて様々な種類が存在する。用途は、火力発電所の発電用、船舶用、工場の加熱電源用、ビルの暖房給湯用など多岐にわたっています。

同社の事業分野は、①ボイラー等販売事業②水管ボイラー及び冷熱機器等販売事業③メンテナンス事業の三つです。事業ごとの売上高は以下のようになっています。

決算期

2010/03

2011/03

2012/03

2013/03

2014/03

年/半/四

通期

通期

通期

通期

通期

決算月数

12 ヶ月

12 ヶ月

12 ヶ月

12 ヶ月

12 ヶ月

科目

連結/単体

連結

連結

連結

連結

連結

売上高 ( 百万円 )

ボイラー等販売

44,706

34,252

39,412

39,889

45,865

水管ボイラー及び冷熱機器等販売

11,613

12,373

14,530

14,727

メンテナンス

24,280

24,577

25,455

26,437

28,044

68,987

70,443

77,241

80,857

88,637

消去又は全社

-2,632

-2,539

-2,647

-2,700

-3,102

財務諸表計上額

66,354

67,904

74,593

78,157

85,535

しかし、以下の図より、営業利益を見てみると、売上高構成比の半分近くを占めるボイラー販売ではなく、メンテナンス事業による収益が多いことが分かります。

三浦工業

この理由に関しては、ボイラの耐用年数は一般的に15年と長いため、本業界ではメンテナンス事業が重要な事業の位置づけとなっています。三浦工業は、2009年度に市場が大幅縮小した際もメンテナンス事業は堅調であり、営業利益率は31.1%を確保しています。近年の同セグメントは全体の30%程度を占め、営業利益率は30%前後と高水準を維持しています。 国内では市場は成熟し、販売事業は成長が見込めませんが、メンテナンス事業で安定した利益を確保していることが分かります。