火災,保険,相場
(写真=Thinkstock/GettyImages)

普段あまり気になりにくい火災保険だが、火災はいつ起こるかわからない。最近では自然災害も多く、もしもの時のために火災に備えた保険を考えておく必要があるだろう。マイホームの購入や引越しで新しい賃貸物件を契約する場面において、火災保険を検討してはいかがだろうか。

火災保険の基礎について学ぶ

火災保険とは、損害補償保険の一種で、火災などで住まいが被害を受けた場合や、台風や強風などで被害を受けた場合に損害が補償される保険だ。外出中に自宅が火事に見舞われたことを想像すると、火災保険があれば安心と思ってしまいがちだが、ただ保険に入っていれば良いというものではない。

一年で火災に遭遇するリスクは私たちの日常の生活において実は、わずか0.04%程度だ。この数字だと、ほとんどは被害を受けないということになる。しかし、だから加入しなくてよいというものではない。保険というのは万が一のためのもの、もし火災に巻き込まれると多くのものを失い、生活に大きな影響が出てしまう。

さらに、火災保険で補償されるのは火災だけではない。台風などの自然災害、石や鳥が飛んできて窓ガラスが割れた、車が突っ込んで壁が壊れた、といった場合も補償の対象となる。さらに家財の盗難にも補償があり、思っている以上にカバー範囲が広い保険と言えそうだ。

火災保険の相場と比較ポイント

火災保険は各社全てが同じように見えるかもしれない。しかし、その会社ごとの特徴がある。もちろん似たようなプランになっているのは事実だが、まず補償のされ方に注意したい。

片付け費用などが基本の中に含まれているのか、それとも、オプションとして設定されているのか。もちろん含まれていれば保険料が高くなるわけだがそのあたりも考慮して比較する必要がある。

次に、補償額や自己負担額も確認が必要である。全損になった場合、全額補償されるのかそれとも7割程度の補償になるのか、自己負担があるのかどうか、といった具合である。

これらも含まれていれば保険料が高くなるので、バランスよく決めていく必要がある。被害にあう確率が低いなら、火災や災害は補償金額を下げてみても良いかもしれない。

最後に割引だ。細かな条件を指定していくだけで2%〜10%ほどの割引が得られることがある。自動車保険は昔からゴールド免許割引など、ある条件の元では保険料が割引になるが、火災保険もそれに似たサービスを展開している。

ガスがないなら「オール電化割引」、家族がだれもたばこを吸わないなら「ノンスモーカー割引」が利用できる。さらに付帯サービスで水回りのトラブルの対応や法律相談などが利用できるものもある。付帯サービスで保険を選ぶことは避けたほうが良いが、同じ金額ならよりサービスが充実しているものが良いだろう。

マンション・戸建や賃貸・持ち家で大きく異なる

火災保険の相場はマンションなのか、戸建なのか、コンクリート造なのか、木造なのかなどそれぞれの状況よって違ってくる。

特に保険料を左右する項目は、マンションか戸建かという点だ。当然、マンションには共用スペースがあり、保険をかけるのは自分の部屋など専有部分だけでよい。一方戸建は、屋根や壁など建物全体の損害に対して保険が適用されるため保険料は高くなる。

家の構造も保険料を左右する項目だ。コンクリートや鉄筋は燃えにくく木造は燃えやすい。そのためコンクリート、コンクリートブロック、レンガなど耐火性のある材料は被害が広がりにくく保険料は安くなりやすい。一方で、木造は可燃物で耐火性が低いため保険料が高くなりやすい。

持ち家では建物に対する保険が必要だが、賃貸物件の場合は自分の財産を守る家財保険だけでよい。しかし、賃貸契約の場合は退去時に部屋を原状回復させる必要があり、そのためには借家人賠償責任保険に加入している必要がある。
また、この特約を義務付けられる場合もある。

東京都で建物価格を2500万円、保険期間を10年として計算すると、すると保険料の相場は下記のようになる。

木造一戸建の場合 約12万円~60万円
木造耐火構造建物の場合 約6万円~30万円
分譲マンションの場合 約5万円~17万円

このように大きな幅があるのは補償内容によって金額が違ってくるからだ。安いプランでは火災、落雷、破裂、爆発の損害にしか対応していないが、高いプランは台風の被害、浸水など全ての被害がカバーされる。

地震による被害には地震保険の加入が必要となりこれらに加入するかどうかで保険料が大きく変わることがわかる。

賃貸物件の場合は家財保険になるが、こちらは家族構成から大まかな評価額を出す簡易評価という方法で保険料が決まってくる。相場としては下記のような保険料になる。

世帯主年齢28歳以上32歳未満の場合の補償
夫婦のみ:720万円
夫婦と子ども1人:800万円
夫婦と子ども2人:880万円

このようなプランでエコノミープランだと月額1万円強、スタンダードなら月額2万円程度、ワイド補償なら2万円強という相場である。補償金額を安く設定したり、補償内容を限定したりするなら保険料を安くすることができる。

中古/新築の場合

現在の火災保険では中古でも新築でも新価実損払いが一般的となっている。古いから購入価格の評価とはならない。再調達価格というものが適用される。再調達価格の計算は新築当時の価格から計算する方法と、地域、構造、延べ床面積から、新築にかかる建築費用を算出する方法とがある。

火災保険に加入する際の注意点とは?

火災保険に加入する場合、契約方法として時価で契約するものと新価で契約する方法がある。

時価での契約だった場合、保険を使うような損害が発生するとその時の評価額で計算することになる。建物が古くなっていくとその分価値が少なくなっていると計算される。したがって、500万円の契約でもその半分の250万円の費用しか支払われないということになる。

一方、新価で契約する方法では再度同じものを調達する時の価格で計算される。これを再調達価額という。中古の住宅を購入しても新築時の基準で計算される。

火災保険は、万が一の時、自分の財産の損失をカバーするための大変重要な手段だ。しかし、せっかくその時のために準備していても、出ると思っていたのに補償対象外だったり、予想していた金額よりもはるかに保険金額が少ないなら、加入していた意味が薄れてしまう。そのようなことのならないよう、保険内容は時間をかけてじっくり検討したい。